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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   夢のギゴーニュ最高!   スワニルダ

「おはようー。あー、今日は本番かぁ。」
今日は12月3日、バレエ「くるみ割り人形」の本番だ。私は子役として「ギゴーニュおばさんと子どもたち」に出演する。8月29日にオーディションを受けて、それに受かった人が子ども役になることができるのだ。実際、私は去年もギゴーニュに出演している。 順番は毎年、背が低い人が前となっていた。去年は前から3番目だったが今年は後ろから2番目になっていた。ショックだ。身長から言えば仕方がないが、なるべく前が良かったのに……。ところが、次の練習のときに先生がチラチラ私の方を見ているのが分かった。だから私は(位置を変えてくれるかもしれない!)と思い、いつも以上に張り切って踊った。すると突然、私が呼ばれ
「場所が変わるかもしれないから、反対側もできるようにしておいて。」
と言われた。私はうれしくてもっともっと上手くやるようにした。そしてレッスンが終わり、みんなが集まった。先生が
「今から名前を呼ぶ人達は、グループが変わるから覚えておいてね。」
と言われ、私とさらに2人ぐらいが呼ばれ、私が一番出たかったグループのところに入れてもらえた。まさに「雨降って地固まる」だ。場所は前から4番目になった。
 その次の練習のときに、また場所が変わった。私は「二度あることは三度ある」なので、もう一回場所が変わらないかなぁ、とひそかに思っていた。予想は的中! 前から2番目、去年よりもいい位置になったのだ。予想というよりは、単なる期待で、ほとんど冗談のようなつもりだったのに「うそから出たまこと」、とても嬉しかった。しかも、去年は1回の公演だったが、今年は2回公演に出られることになった。
 最初の公演は府中だった。東京公演初日なので、プレッシャーがかかっていた。府中には祖母が住んでおり、親戚や隣人など11人が見に来てくれた。私の位置は、舞台上の真ん中にある階段にいるときが多く、落ちないか、先生が登場するときぶつからないかなど不安だった。肝心な踊りのときには、少し列が崩れてしまい、私としては90点位の出来だった。2回公演200点を目指しているので、残り最低110点取らなくては……。でも、まずまずだったと思う。
 2回目の公演は五反田だった。こちらは、両親と父方の祖母、バレエの友だち家族しか見に来てくれないが110点以上目指してがんばろう! と、心の中で自分に誓った。最初のピエロのときにはニコニコ笑顔でしっかりできた。そしてギゴーニュ。一人一人が大成功を収めるように頑張った。つま先を伸ばし、列が乱れないように、足をなるべく上げるように、など色々なことを気をつけた。気がついたときにはもう終わっていて、もっと踊っていたかった。最後のフィナーレは4分以上ととても長い。もう疲れているが、力を出し切った。でもまだアンコールが残っている。それにクリスマスソングを歌わなくてはいけない。先生に言われたとおりに大声で歌った。そして最後の楽しみ、カーテンコールで1度だけ、先生方、主役の方の前でおじぎをしていいのだ。まるで、私達が主役のように拍手を心から浴びた。私はその瞬間、今日は170点! そう思った。
 このような体験ができたのは父や母、応援してくださった方々、それに教えてくださった先生方のおかげだ。反省することもあったが、何よりもみんなが成長できたと思うことがうれしい。その方たちに感謝をしながら、私は今日の大成功に心を躍らせていた。


   講評   nara

 2006年の最後の飾る舞台、大成功おめでとう。成功は、突然天からこぼれ落ちてくるのではなく、きちんと成功にいたる行動を積み重ねてきたからこそ、手にできるのだと思うよ。他の人はわからなくても、自分がどれだけそのことに取り組んできたかは、自分自身が一番よくわかっているものね。
 去年に引き続いての役だったけれど、公演回数も増え、ポジションもぐっと目立つところになったのだね。「うそから出たまこと」と謙遜(けんそん)しているけれど、心のどこかには「しっかりやってきたぞ!」という自負もあったようだね。舞台で輝くためには、その自負もなくてはならないのだろうなぁ。
 府中公演のことをあっさりとまとめたことで、五反田公演の話とのメリハリもはっきりついたね。五反田公演は、体も気持ちも物語の中に入り込んだような感じがするよ。「気がついたときにはもう終わっていて」というところに、踊りに没頭していることがよく表れているね。先生や主役よりも前に出てのおじぎは、誇らしかっただろうな。この感動があるからこそ、つらいレッスンでもがんばっていけるのだろうね。2公演合わせて260点。満足のいく舞台だったね。
 周りの人への感謝の気持ちもしっかり述べてあってすがすがしい。戸中に、見に来てくれた人の様子や、応援してくれているお父さんお母さんの反応も入れておいてもよかったかな。

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