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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   豊かな社会   ポッター

 「豊か」。それは、誰もが一度は耳にしたことのある言葉だろう。「豊かな国づくり」という政治のキャッチフレーズも、新聞で目にしたことが何度かある。そもそも、豊かとはどのような意味なのだろう。物が豊富なことを言うのか、それとも心が満ち足りていることを言うのか。将又、財産がたくさんあることを指し示すのだろうか。おそらく、人によって捉え方は異なるだろう。経済成長し続ける世の中、物がありふれている現代の社会の中で、どのようなことが大切なのだろう。
 確かに、お金や物があって、豊かであるのは良いことだ。貧富の差が激しい現在の社会、それによって左右される人は大勢いる。「お金が欲しい」、「食べ物が欲しい」、「◯◯を買いたい」…。人は欲の固まりなので、願望は強く、欲しい物もたくさんある。そして、お金があればそれらを手に入れることができる。便利な暮らしができたりする。美味しい物や好きなものを口にする事が出来て、満腹になることができる。やはり、物資や食料があって、自然災害や雨風を防げる快適な暮らしが、私たちにとっては一番の豊かさだ。
 勿論、世の中にはそのような生活が出来ない人もいる。中東の国々やアフリカ、北極、北朝鮮など、寒さや暑さ、飢えなどで苦しんだり、苦労したりしている人がいるのだ。日本にも職や家が見つからず、仕方なく路上で生活している人もいる。しかしそのような人達にも、施設や保護センター、自立支援センターはあるので、日本は経済的にも環境的にも、とても豊かな国なのではないかと思う。しかし、これ以上貧富の差が開いてはならない。できるだけ全ての人々が平等であるように、私たちも募金や支援など、様々な取り組みをすることが必要だと思う。
 しかし、物が豊かであっても、心の豊かさがなければ不十分だ。
 先日、テレビドラマで島田洋七作、「佐賀のがばいばぁちゃん」が放送されていた。実話に基づいた話で、とても面白かった。超貧乏な家だが、それに負けず劣らず、笑顔で明るく生きている。「拾う物はあっても、捨てる物は無い」というようなばあちゃんの名言や、妥協せず、何事も平気な顔をして片付ける姿勢が、とても印象的だった。物語は戦後のことだと言うが、経済や技術が目まぐるしく発展していた明治の時代、こんなに素晴らしい人がいたのだと、改めて関心してしまった。物は無くて貧乏な暮らしでも、心が豊かであれば幸せに生きて行ける。様々なことを、このドラマを見て教わった。
 確かに、現代は「捨てる」ことが当たり前になってきている。物を大切にせずに、壊したり無くしたら、また買えば良いと思ってしまう人が多くいる。そういう人達は、心が貧しいのではないかと思う。初心に戻ってみれば、それがどんなに大切なのか、また、自分が今どんなに幸せで裕福な暮らしをしているのかが分かる筈だ。そして自然と、心が豊かになれると思う。くだらない理由で怒る事も、喧嘩をすることもない。優しい気持ちをもって接する事ができたり、大事な物を見捨てない目をもつことが出来る。心の豊かさは、今の私たちに最も重要なものではないかと思う。
 私たちにとって、物の豊かさも、心の豊かさもどちらも大切だ。しかし本当に大切なのは、皆がそのようになれる平等な社会を、どうつくっていくか、どうすれば豊かになれるのかを考えることだと思う。

   講評   inoko

 ポッターさん、こんにちは。
格差社会と言われるような今の日本で、豊かになるというのはどういうことを指すのでしょう? 何が本当の豊かさであるか。それは、一言で言い表すことはできませんし、豊かさの定義は人それぞれであると思います。物質的な豊かさを何よりも重要視する人と、精神的な豊かさを重要視する人とでは、明らかに違ってくるからです。ポッターさんが書いているように、人間というのは本来欲のかたまりです。ただどれだけ物質的に豊かになったとしても、精神的に安定していなければ、その物質的な豊かさに、満足することはできないかもしれません。何のために生きているのか、どういう風に生きていきたいのか。自分自身に問うてみたときに、自分自身にとっての真の豊かさとは何であるかも見えてくるのでしょう。
☆ 昨年も書いたテーマですが、社会情勢の変化とポッターさんの成長により、少し考え方も変わったでしょうか?
最後のところで、「捨てる」ことについて書いています。「もったいない」という日本語の言葉が、今や世界の共通語となりつつあるのに、私たち日本人が捨てることに罪悪感を抱かないというのは、皮肉な現実ですね。


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