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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   目標達成への一歩   レックウザ

 ヒュルルルル、パーン、ヒュルルルル、パーン・・・
一月一日午前十二時ちょうど、人々は歓声を上げ、闇に染まっていた空は花火の光でいっぱいになった。ところどころから「Happy New Year! 明けましておめでとう!」という声が上がっている。母は花火の音に負けまいと私に向かって声を張り上げた。
「おーい!」
母の声が聞こえた私も大声で答えた。
「何ー?」
「今年の目標は何ですかー?」
私はくすりと笑ってから、もう一度答えた。
「それは秘密ー!そのうちだんだんわかってくるよー!」
 アメリカのあるビーチでのカウントダウンの30分前、私は何かと緊張していた。こんなに早く年が明けるなんて、思ってもみなかった。とうとう、2006年から、2007年に移り変わるときが来たのだ。タイムリミットがあと15分になると、一緒に来た家族と来年の目標を話し合った。まずは父からだ。
「来年は、少し子供っぽいところを直そうと思いまーす!」
私はすかさず父に聞いた。
「でもそんなことできるの?去年だってそう言ったのに、全然直らなかったじゃん。」
「うぐっ、でも今年はやるの!」
「ほら、そういうところが子供っぽいんだよ。」
皆は笑った。父に続き、母はパーフェクトな良妻賢母になること、そして祖母は来年も健康であることが目標だと語った。最後に、私の来年の目標を言う番になった。
「そうだなあ、私はね・・・。」
そう言いかけて、私は考えた。何がいいかな。そうだ、英語をマスターしたい。あといっぱい友達を作りたい。私が言おうとしたとき、父が時計を見ながら興奮して叫んだ。
「ほら、あと1分になったよ!」
気づいてみると、さっきまで静かだった辺りが騒がしくなっていた。皆はあと1分だよ、と言い合っている。そんなことが続いて、とうとうタイムリミットがあと10秒になった。皆はまるで何か珍しいものにこれから出会うというようにわーっと叫び、カウントダウンを始めた。
「10,9,8,7,6,・・・」
私はカウントダウンしながら、さっき決めた目標を心の中でお祈りしていた。どうか英語ができるようになりますように、友達がたくさんできますように・・・。
「1!!」
次の瞬間、真っ暗だった空がぱっと明るくなった。花火が上がったのだ。パーン、パパーンという音を鳴らしながら、見事に火の花が空で咲いていた。人々はいっせいに「明けましておめでとう!」と声を張り上げて言った。中には、あまりにも嬉しくて抱き合っている人もいた。嫌な顔は一つせず、皆笑顔で新年を迎えた。
 一昨年の日本でのカウントダウンは、静かで凍えるような寒さの中でやった。そのときは田舎の祖母の家に泊まらせてもらっていた。こたつの中で温まり、ミカンを食べ、紅白歌合戦を見ていた。そのときは、テレビの会場の人たちと一緒にカウントダウンを行った。2007年へのカウントダウンのときと同じ、「10,9,8,7,6,・・・」というようにやって、新しい年を迎えた。しかし、アメリカと日本はやはり違う。家族で「明けましておめでとう」と言い合ったあと、近くのはとこと一緒に除夜の鐘を鳴らしにお寺へ向かった。車の中で、私はお寺にいっぱい人が集まっているだろうと思ったが、案外人が少なかった。いや、いなかったと言ってもいいほどであろう。お寺はシーンとしていて、鐘の鳴る音すら聞こえなかった。なので、私とはとこはラッキーなことに何度でも鐘をついてよいことになった。しかし、風邪気味だったはとこは二回だけついて終わった。私はせっかくだと思って、できないというところまで鐘をついた。ところが、鐘つきの棒がとても重かったので、六回だけ鐘をつかせてもらった。私は疲れ果てたが、これは一生のいい経験となった。なぜなら、アメリカではお寺がなく、除夜の鐘はつけないからだ。今年もつきたかったが、アメリカでは盛大に新年を迎えたので、不満は残らず笑顔で新年を迎えたのだった。
 人間にとってお正月を迎えるとは、目標達成の第一歩なのだ。目標に向かって、明るい年になるようにするのだ。毎年毎年、目標を決め、それを目指して頑張ろうとするのがお正月なのだ。「使っている鍬は光る」のだ。
ヒュルルルル、パーン、ヒュルルルル、パーン・・・
また明るい花火が、今年を明るい年にしてくれるだろう。

   講評   hoemi

アメリカならではの新年の迎え方を楽しんだようだね。きっと日本の除夜の鐘とは全く違った趣があったのだろうね。
【構成】 結びの一文が何とも明るい展望を感じさせていいね。
【題材】 日本とアメリカの新年の迎え方の違いをうまく対比させながら書けたね。過ごし方は違っても、新年を迎えるにあたっての心の準備はきっと万国共通なのだろうね。
【表現】 カウントダウンに向かって気持ちが高ぶる様子をうまくたとえられたね。また、ことわざの引用もよくできているよ。
【主題】 「今年の目標」を決め、その目標に向かって進むことこそ、自分を向上させる一歩となるよね。☆shooting star☆さん自身の今年の目標への意気込みも書き加えられるとより良くなるよ。


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