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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   難しい本は後で読め   レックウザ

 「「視聴覚文化」が盛大におもむき、本を読む人が少なくなるだろう、というのは、どうも本当らしくない——ということは、およそ常識からも察せられるだろう。娯楽の性質が全く違うから、いわゆる視聴覚「文化」または「娯楽」は、読書の楽しみを妨げるものではない。一冊の本がわからないということ、ただそれだけでは、あなたが悪いということにもならず、またその本が悪いということにもならないのだ。」私はこの長文を読みながらうなずいた。最初の頃は全く理解できなかった本が、今ではその本に釘づけになっているということは、誰にでもあるだろう。それは自分が理解できる本から読んでいったからなのだ。今は理解できない本は読まなくてもいい、まずはわかる本から読めば、前は読めなかった本がだんだん読めるようになっていくのである。
 あなたは「モモ」を知っているだろうか。あの「果てしない物語」を書いたミヒャエル・エンデのもう一つの作品である。「モモ」とは、親のいない、ある小さな女の子モモが、時間泥棒に追いかけられながら、時をつかさどる賢者と出会い、時間の大切さを知る物語だ。私がこの本に出会ったのは、去年の夏。家でテレビを見ていたら、母が一冊の本を私に手渡して言った。
「これ、とても有名な人が書いた本なのよ。読んでみたら?」
それが「モモ」であった。私はちらっとその本を見ると、「いらない」と簡単に言って断った。
「そんなこと言わないで、読んでみなきゃわからないじゃない。読めるときでいいから、読んでみなさい。」
母は押し付けるように「モモ」を私に持たせた。私は一ページか二ページぐらい少しだけ読んでみた。しかし、全く理解不能だった。「モモ」を自分の鞄に入れると、またテレビを見始めた。母はまるで幼い子供がダラダラとしているところを目撃したようにあきれた顔で私を見てから、台所にすたすたと去っていった。それから一ヶ月が経った。私は自分の部屋で「赤毛のアン」を読み終わったところだ。本棚にしまうとき、この前母からもらった「モモ」が目に入った。私は何気なくその本を手にし、物語の最初の部分を読んだ。すると自分でも驚いたことに、どんどんページをめくっていった。私は、一瞬にしてモモの世界に吸い込まれたのであった。モモと友達が船長ごっこをしているところ、モモが時をつかさどる賢者の亀と共に時間泥棒から逃げているところ・・・。私は読みながらワクワクしていた。スリルがあるもので、スリル好きの私には最高の本であった。それに「モモ」は私に時間の大切さを教えてくれた。人々は時間を自由に使え、人々は他人の時間を奪う権利はないということを学んだ。
 このように、私は前まで理解できなかった本が、今では読めるようになった。その本に隠された楽しみが、わたしにわかるようになったのだ。「モモ」だけではない。「ナルニア国物語」だって、四ヶ月前は読めなかった本が、一ヶ月後には理解できるようになった。それは以前あった「違和感」がなくなったからである。本を読むと、その世界に吸い込まれて、その場面の情景を思い浮かべることができる。映画やテレビは、あまり想像ができるものではない。本のように、文字が書いてあるものは、人々を想像させる。特に物語などが、一番人々に想像力を与えるものだろう。主人公の気持ちや、その他の登場人物の格好、風景などが頭に浮かんでくる。本はそれなりの楽しさを与えてくれる、大事なものなのだ。
 人間にとって読書とは、想像力を高めるものであり、またワクワクさせるものなのだ。本の世界に吸い込まれ、自分がその世界にいることを想像し、その情景を思い浮かべる。しかし、読めない本があるのは皆同じ。そのときは読まずに、後で読むのが賢明なのだ。まずは自分が理解できる本を読むといい。すると、だんだん読めなかった本が読めてくる。何事も無理して読まず、読めるときになったら読むのが一番いい方法である。「急がば回れ」であるのだ。

   講評   hoemi

 「難しい本は後で読め」というのは確かに一理あるね。以前は難解で歯が立たなかった本も、読書を重ねていくうちに読破できるようになるという経験は誰にでもあるだろうね。
【構成】 長文の骨子をしっかりとらえてまとめられたね。
【題材】 「モモ」を読破するまでの経緯に加え、☆shooting star☆さんにとっての読書とは、について書けたね。映画やテレビは見る側が常に受け身的であるのに対し、読書には主体性があるということについても触れられていて良かったよ。
【表現】 たとえは抜群のセンスをいかすことができたね。ことわざも結びの一文にもってくるなどの工夫ができたね。
【主題】 読書の醍醐味をしっかりまとめることができたね。これからもジャンルを問わず、いろいろな本にチャレンジしてみよう。それから「難読」も大切だということも覚えておこうね!

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