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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本とアジアの交流: 過去と未来   えにほ

世界のアジアやヨーロッパ等の地域主義が謳われる様になったのは, グローバル化で資本の動きが国を超えその地域単位での調整、交渉、コントロールが必要になったからだ。それに伴い地域での経済、政治、文化面での関わりも大きく膨らむことになる。日本は戦後日米安保理の冷戦政治の枠組みで経済成長し発達して来た訳だ。戦後は戦争の清算を付ける暇も無く経済成長に明け暮れ、アメリカに次ぐ経済国になった。その点、多くの「unfinished business」を抱えている様に思う。戦後60年を終え、次の時代に突き進もうとする現在だからこそ、もう一度今までに無かった観点から過去を振り返る事が必要だ。そんな一つの試みが、クリント.イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」である。彼は先に有名で銅像にもなった、過酷な戦闘の後硫黄島に星条旗を掲げた兵士達の話、「父達の星条旗」を公開したところだ。このアメリカ側からの視点から作った話の対として、この映画は日本側からの視点で語られ、すべて日本語になっている。この映画の中には、ステレオタイプになってしまっている戦時中の日本兵や検兵達以外に、もっと人間味のある「普通」の日本人が描かれている。徴兵される前ごく一般のパン屋は、ただ自分の妻とまだ見ない娘の所に帰ることを望むばかり。戦前アメリカに行った事のある栗林中将、そしてロスのオリンピックで乗馬の金メダル保持者のバロン西。気が小さく、短期な一般の軍人と比べ、人格が大きく描かれている。やけに部下を虐めたり、戦略も無しに死を強制したりしない。戦後60年経ってやっと冷静にお互いの戦中時におかれた立場を描ける様になったのは感慨深い。戦場で死んで行った日本人については、戦後の日本は「冷たいが振り返らず」と云う態度で接し、忘れられてしまった人達があまりにも多い事をこの映画は教えてくれた。もう一つは、キム.ワンソプと云う1963年生まれの韓国のインテリの書いた「親日派のための弁明」と云う本である。あいにくこの本は韓国では発売禁止になっているが、日本で売れているらしい。本の趣旨はかいつまんで云うと、日本が植民地にした事は韓国の発展にとってとてもプラスになったと云う事だ。余りにもこの辺の歴史については浅いので、飛びつけないが、新鮮な響きを持っている事には間違いない。改めて植民地時代にも興味をそそがれる。敗戦者コンプレックスから離れた観点から戦前、戦時中に活躍した日本人を拾い集めて見てみるのも面白い。同じように、このような観点から、これからの日本のアジア外交も、中国や韓国の反日感情にも前向きで対応する事が必要だ。
まず第一の対策は、アジア各国とは、いろんな分野、多角的な交流が必要である。企業や政治家だけでは無く、多くの市民外交を増やすべきだ。特に、若者の交流を奨励し、アイデアや意見の交換を積み上げて行く場を学校、企業、その他の民間団体を通して増やす必要がある。
されに第二の対策は、違った文化や伝統への興味と尊重、そして、自分の文化に対する誇りやプライドの持てる若者達を育てる社会が必要だ。なにがそんな若者を育てるのか、答えはまず容易には出てこない。まず一つは個性を尊重し伸ばせる教育そして社会環境作りが必要である。
確かに、反日感情は中国や韓国の内政から作られている面も有りそうで、解決はそんなに簡単では無い。 多角面であらゆる日本人がアジアの国と交流し、新しい役目も築くことによって、お互いの理解も築く事になると思う。

   講評   unagi

 <字数>1442字で目標をクリアしました。
 <構成>複数の対策を挙げています。その1「市民レベルの国際交流を」。その2「個性を尊重する教育・社会環境を」。問題を根本から見つめた対策を挙げることができました。何か簡単にでもよいので、具体的な例を書くと更に伝わりやすくなると思います。
                             
 <題材>読書実例として『親日派のために弁明』を使用しています。様々な視点から問題を問い直すことを促す題材です。2つの映画についても、同様の理由でよい題材です。

 <主題>予測問題の主題は「これからの日本のアジア外交も、中国や韓国の反日感情にも前向きで対応する事が必要だ。」導入部の解説が丁寧になされているので、読み手もすんなりと主題に入って行けます。反対意見への理解で、問題を煩雑なものにしている一因に触れています。

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