対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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大人になるために あにせ
現代はアイデンティティ不定の時代といわれている。それは「大人である」とか「大人になる」ということが、何を指すのかがはっきりしないことをも意味する。近代以前の社会には、それぞれの社会の要請に見合った何らかの通貨儀式が存在したが、近代は子供から大人への変化期から境目を取り払い、「教育課程」というシステムをあてがうことにした。それはとても間延びしたプレセスであり、自分がどこまで大人になったのかという自覚を曖昧なものにさせた。子供は社会から隔離された家族の中で「大切」に育てられ親子の同居期間が長くなった。(要約)
私は、子供の時期から自分に役割があると考え「アイデンティティ」を持った生き方をしたい。(生き方の主題)
そのための方法として第一に、子供期から社会を経験することだ。現代社会では子供は自然に学校に入り基本的にはそのまま世間の流れで22才まで過ごす。それから社会に飛び出していくのだ。しかし、それまでずっと社会というものを知らずに生きてきたから不安はとても大きいはずだ。私の学校は高校生になってもアルバイトをすることを禁じられている。アルバイトはそれで生活するために働くのとは少し違うが、一般の社会の形、上下関係もしっかりと成り立っている。そのような環境の中で働くことは社会を知ることができる一つの方法だ。「まだ子供だから」と言って小さな集団に閉じこめておくのではなく、そういう社会での経験も積んでおくべきだ。(複数の方法1)
また第二に、子供から大人への移り変わりがよくわからないこの状態をやめることだ。日本では成人式があるが、ここ最近成人式は荒れ放題だ。毎年成人式の時期になると、式中に暴れ騒ぐ若者の姿をよくニュースで目にする。彼らは事実上大人になったということを喜び大変な騒ぎにしてしまう。しかし、式を荒らすような人間が本当に大人になれたと言えるのだろうか。精神的には全く大人になど全くなれていないではないだろうか。かつての日本には元服の儀式で15才になるときちんとした境目があった。またある民族は成人になる時にライオンを倒しに行くという。近代日本にはこのようなはっきりとしたものがなく流れのまま行ってしまうから大人になったと勘違いする者が増えてしまうのだ。形だけの成人ではなく、中身から成人になれるようにしなければならない。(複数の方法2)(伝記実例)
確かに、子供の仕事は勉強であってそこで多くのものを吸収することが第一だ。しかし、『花はだれが見ていなくても咲いている』という名言があるように私達は生きている限りそれぞれに役割があるはずだ。今はまだ見つけられていなくても社会に出れば見つかるだろう。小さく狭い社会に身を潜めて生きているのではなく大きなこの日本社会に飛び出し自分の役割を探してみることが必要だ。流れのままに大人になり、なんとなく生きてしまうというこの悪い流れを変え、子供でもたくさんの経験をしてアイデンティティを持った人間になりたい。(生き方の主題)
講評 nane
書き出しは要約でなく、状況実例として書いていっていいよ。
アルバイトの話はいい例。アルバイトには、お金を稼ぐ面と社会勉強の面とがある。学生の本文は勉強と言うけど、社会勉強も大事な勉強だからね。
成人式の話も具体的。形だけの成人式ではないようにするためには、日本でも、成人式にバンジージャンプを取り入れたらいいのかも(笑)。人間の成熟度の高い人から順に成人式を迎えられるようになるといいのかもしれないね。
「花はだれが……」の名言でもいいけど、そのあとの、「小さく狭い社会に身を潜めて生きているのではなく大きなこの日本社会に飛び出し自分の役割を探してみることが必要だ」も、名言に近い。「勉強とは……ではなく、……である」のような形で自作名言にしておくといいよ。
これは清書候補。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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