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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   鬼は外、福は内   おねえ

 「鬼はあ外。福はあ内。」
みんな一斉に豆を当てる。私はおととしまで毎年節分の日に、鬼役の先生に、豆を投げていた。やる度にみんなキャーキャー言って、とても楽しそうだ。もちろん、私も楽しんでいた。豆が鬼に命中したら、うれしかった。鬼はいつも先生、または親がやる。小さいころは、家でも行っていた。私の場合は、豆まきも好きだったが、行事終了前の、豆を食べるのが好きだった。きなこ味がもともと好きだったので、食べて良いのがうれしかった。
 チリでも、過去何度か、学校で、節分集会という行事が行われていた。豆は、スーパーで売っている、少々たて長いものを使う。節分用の豆が売っていないのでしようが無い。節分の歴史か何かの説明を聞き終わると、すぐに全員グラウンドに行き、生徒の作った鬼の仮面を、先生がかぶる。すると、スタートしたとたんに全員、それぞれ好きな鬼にバンバン豆をぶつける。落ちた豆は放っておくので、そのうち豆が発芽する。それを見るのも楽しいと思う。私は、「今年も発芽するかなあ」とか思いながら豆を投げている。だんだん豆まきがおもしろくなり、思いっきり先生に投げつける。しかし、痛そうで、まるで自分が本当の鬼のように思えてきたので、途中で軽く投げたり、わざと当たらないようにしたりするようになった。何故節分で気をつかってしまうのか自分で自分を不思議に思いつつ、豆まきをする。豆の種類的に、生で食べない方が良いから、最後に豆を食べるということは、無い。食べる楽しみは無いが、思い返してみると、意外にチリでの節分は楽しかったと思う。
 日本では、まだ幼稚園児だったが、節分の時のことは大体覚えている。まず、やはり全員外に出て、スタートの合図と共に、豆を投げ始める。幼稚園児だから、なかなか豆が当たらないが、それでもおもしろかった。笑っている内に、本当に福が来た気がした。鬼に豆を全て当ててしまってから、教室に入って行く。それからみんな、楽しかったということを話し合い、年の数だけ豆を食べる。私は、四才、五才では豆が少ないから、早く大きくなりたいと思っていた。そんなことを考え食べ終わってから先生が、節分に関する本を読んでくれる。人の体に鬼がいて、それを節分の時に追い出し、代わりに福を入れるらしい。その話だけは、覚えていた。そしてその話の時に先生が、
「鬼にはいろいろあって、泣き虫鬼とかおこりんぼう鬼とかを追い出すのよ。」
と言った。そして私は、「そんなの追い出せないに決まってる」と思いながらも、
「へえ。やだな。そんなのいるの?」
と言っていた。しかし実際に、少し鬼がこわかった。だから「鬼は外、福は内」をしっかり言わなければならないなと考えていた。変なことも考えていたが、結局、節分は楽しかった。
 私は、笑っていれば、自然に福が来るということが分かった。「笑う門には福来たる」ということわざがあるが、それを頭において、笑顔を大切にしようと思う。それと私は、最近節分をしていなくて忘れていたけれど、またしたいと思う。そして、
「鬼は外!福は内!」
と言って、鬼を外に出したい。

   講評   hoemi

 日本では古くから伝わる節分の行事。最近では、豆まきや恵方巻を食べるといったイベントが先行しているけれど、節分の意味を知った上で節分を迎えると、昔の日本人の智恵などが感じられてその大切さを感じるだろうね。
【構成】 元気の良いかけ声から始まり、それに呼応した形での結びが工夫できていて良かったよ。「鬼は外に、福は内に」とはよくいったものだよね。
【題材】 どちらのエピソードも臨場感ある表現で説明できていたよ。会話やその時の気持ちがしっかり入っていたのもいいね。どちらの思い出もグルミンさんにとっては大切な思い出ということが伝わってきたよ。それにしても、鬼になる先生や親も思いきり豆をぶつけられるのではたまったものではないね(^^;)
【表現】 ユーモアのあるたとえを考えられたね。鬼に豆を軽く投げたり、わざと当てないようにするとは、グルミンさんの優しさがにじみ出ているね。ことわざの引用もバッチリですよ。いつでも笑顔を絶やさなければ、そこに福は必ず来たるというものです!
【主題】 「節分をまたしたい」という気持ちを大切にしたいね。節分を調べてみるのもいいよ。きっとその意味を知ると、その行事を大切にしたいという気持ちが一層強くなると思うな。まとめの段落が他の段落に比べて少々簡素すぎるので、節分について調べたことを加えるなど、もう少し工夫してみよう。

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