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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   生き物って不思議   おねえ

 チョウチンアンコウには、上唇のすぐ上に背びれから変わったイリシウムと呼ばれるただ一本のアンテナがある。一九六七年、日本の水族館で生きたチョウチンアンコウがどのようにして光るのかが確かめられた。もっとも、深海魚の発光が水族館で観察された例は、これが初めてではない。イタリアのナポリ水族館では、一八九九年に生きたダルマザメの発光がガラス越しに観察されている。深海魚を水族館で飼えないのは、それが深海に棲んでいるという事実よりも、深海に棲んでいるために皮膚や内臓が傷つきやすい、環境の変化に弱いという理由の方が大きいようだ。
 私は、深海魚の話を読んで、魚によって生きる力が強いかどうかも違うのだなと思った。私の学校でも、池で魚を飼っていて、魚の生きる力の違いを見せ付けられたことがある。私が入ったばかりの時は、金魚やカダヤシ、その他何種類かの魚がいた。しかし今は、カダヤシしかいない。何と他の魚は、全員死んでしまったのだ。死因は、きっと、そうじの時にバケツに入れられ、また池に入れられるという環境の変化に付いて行けなかったのだろう。私はそのころ一年生で、長期の休み明けに、突然金魚がいなくなっていたので「あれ?」と思い友達に聞いてみた。すると友達は、
「金魚ね、死んじゃったんだって。」
と言った。その時にはショックも受けなかったが、今思うと可哀そうである。しかも環境の変化だけでなく、水道水に入れてしまったことも原因の一つだ。気の毒なことをした。当時私は魚がいれば良かったので、金魚のことは気にせずに、カダヤシをながめていた。その後一度だけ、コイを三匹ほど入れたが、すぐに死んでしまった。この時は可哀そうだなと思った。「川から連れてこられ、しかも死んでしまうなんて」と考え、何でカダヤシは死なないのか疑問に思っていた。
 水族館といえば、私は何回か行ったことがあるが、一番心に残ったのはエイである。何故だかは私自身分からないのだが、きっと他の魚達とは違う形と泳ぎ方だったからだろう。エイには、アカエイ、ヤッコエイ、マダラエイなどがいる。以前、水族館で見たのは、アカエイだったと思う。エイには、毒があり、人間でも刺されたら危険らしいから、私は、同じ水そうの魚は大丈夫なのかなと、心配になった。でも、きっと、刺されないか、刺されても平気なやつがいっしょに入っているのだろう。エイは砂に潜っていることが多いらしいが、水族館で見たエイは水面の三メートルくらい下を泳いでいた。エイの泳ぎ方は独特で、ゆったりとした泳ぎだ。気持ち良さそうだが、エイの泳ぎ方は人間には真似できない。危険な水中でも、まるで敵なんて全くいないようにゆったりとしている気持ち良さそうなエイが、少しうらやましくなった。
 私は、エイをよく見てみたり、魚の生きようとする強さを考えたりして、魚という生き物は不思議なことがたくさんあり、飼うのも意外と大変だということが分かった。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるから、「へえ、おもしろいな。不思議だな」と思った魚などは覚えておいて、今度水族館へ行った際に、見てみたい。そして、
「ああ、この魚はこんな性質があるんだ。」
と、思うようにして、少しでも分かると良い。だからこれからは、図かんを見て、「ああ、なんだこんなのか」と思わずに、じっくり読んだり見たりしよう。

   講評   hoemi

 「似た話」がとても具体的に書かれていて良かったよ。作文に具体性を持たせることができてきたね。よくがんばりました。
【構成】 ポイントをおさえてまとめることができているよ。
【題材】 学校の池の魚の話では環境の変化に弱い金魚やコイを通してグルミンさんが学んだこと、水族館の話では興味を持ったエイのことを書けたね。「生き物の不思議」は数え切れないほどあるよね。常にアンテナをはって知的探求心を旺盛にしていると新たな発見も多いと思うよ。
【表現】 水中を我が物顔で悠々と泳ぐエイを「まるで敵なんて全くいないかのよう」とたとえられたのは上手だね。ことわざの引用もできていました。まさに「百聞は一見にしかず」、実際に自分の目で見て触れることで、生き物に対する理解を深めていけるといいね。
【主題】 人間が思っている以上に生き物はデリケート。環境の変化でストレスをためてしまうものもいれば、命を落としてしまうものもいる。人間を含む全ての生き物が適した環境に身をおけることが何よりも大切なのだろうね。この長文を通してグルミンさんが分かったことをきちんとまとめられていたよ。


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