対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2346 今日1738 合計51648
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   モノとの関わり   はる

 日本は今、モノとの出会いの経験が著しく貧困である。商品としての「もの」が氾濫する一方で、自然と連なるモノの世界は、ますます子どもの生活から消滅しつつある。その端的な現れが道具の使用の経験の未熟さに見られる。言葉という道具においても同様の事情がある。「文字離れ」「活字離れ」は、いまや決定的と言ってよいだろう。読むことと書くこと(リテラシー)は自己を構成し世界を構成する基本的な作業だが、その文化は急速に衰退しつつあるという。郵政省の調査では、国民の七割が年賀状などの挨拶状を除いて一年間に一通も手紙を書かない状況を迎えているが、おそらく中高生に限定すると、その状況はもっと深刻だろう。一日平均三十分以上も電話する彼らは、文字文化(リテラシー)の世界から遊離した世界を生きている。喪失しているのは、「私はこう思う(I think)」という一人称の語りであり、「あいつがこう言っている(He said. She said)」というゴシップが、彼らの日常世界を構成しているのである。それらを把握した上で、私たちはもっと物とのかかわりを持つべきだ。(第一段落 要約・意見)
 そのためには、手作りの価値を見直すことだ。料理などをすると、手順やコツをつかむほかに、道具の使用をも学ぶことができる。料理する上で必要となる道具は数多くあるので、一つ一つ習得していけるが、それと同様に今は、“過保護な道具”も数多くある。一つの例として水道があげられる。昔の水道は蛇口をひねって水を出すのが当たり前であった。しかし、今の水道はセンサーに手をかざせば自動で水が出てくるタイプのものがほとんどである。私は、小学校・中学校・高校のどのトイレの水道も自動式だったので、たまに手動式の水道の前で、つい手をかざしたまま待ってしまう。便利になればなるほど忘れてしまう、モノとの触れ合い—私たちは今一度、高機能が本当に良いことなのか考え直す必要がある。(第二段落 方法1・体験実例)
 また、学校教育では、実験や調査など、物や人との関わりを必要とする授業に、もっと力を入れていくべきだ。机上のみで専門用語ばかりを頭に詰め込み、実践を伴わない授業では決して本当の意味で身につくとは思わない。特に、家庭科などの授業ではそれが大いにあてはまる。ビタミンAだのコレステロールだの必須アミノ酸だの・・・確かに覚えておくと役に立つ事柄ばかりだが、興味が湧くという者は少ないだろう。それを含む食品などを実際に自分で作ってみることによって初めて身となるものだ。(第三段落 方法2・歴史実例)
 確かに、今日では情報処理のセンスを身につけておくとこも大切だ。しかし、その根底には物や人との関わりがなければならない。情報に意味があrのは、情報そのものに価値があるからではなく、その情報が背後の実態に結びついているからなのである。生きていく上での実感とは、効率的に機械的に物事をこなしていく達成感によるものではなく、自分の力と自然の力とを合わせ、かつ独創的に物事をこなしていく達成感によるものである。(第四段落 反対理解・自作名言)

   講評   tama

 自ら考え、自ら行動するということに慣れていなければ、情報に踊らされたり、生きている実感を味わうことができません。何をするにもボタンひとつでできてしまう便利な世の中ですが、もっと物とかかわり、日常という現実の世界に生きていることを感じるべきだということですね。

【複数の方法・実例】 料理を作る際には道具を使い、五感を使います。実際にやってみると、想像以上に頭を使っていることにも気付きます(笑)。道具の使い方はもちろん、食材を扱うことによって、命を実感することができるのです。「手作りの価値」について、もう少し言及してもいいですね。
 学校教育の現場でも、机上の勉強だけでなく、実践を重視したカリキュラムを組んでいくことにより、情報を知っているだけでは役に立たないことがはっきりと見えてくるでしょう。ここは大変よくできています。

【反対意見への理解・自作名言】 現場での血の通った体験を積むことにより、情報に踊らされることなく、独自でものごとを判断し、達成する力を身につけることができると言えるでしょう。ものや人との関わりは非常に重要だということですね。

※ 進級テストは合格です。よくできています。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)