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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   個人の発言力   うっちー

 ハンカチ王子をはじめとする多くのブームは、日本ではほとんどのマスメディアが便乗する。八月の終わりの頃の話題は、ハンカチ王子一色だったし、それからも全国の高校の履修漏れ問題、学校でのいじめ問題などメディアが野次馬根性で報道するようなことも多い。日本人はスタンピードに弱いなどといわれるが、納豆で楽にやせられると言う番組が放映された直後に稀に見る納豆ブームが押し寄せてきたことは記憶に新しい。これまでマスコミや政治はその豊かな資金により強大な発言力を維持してきたが、今では誰でも平等にインターネットという場で発言することができる。私たちがインターネットでの情報収集や発言を通じて政治やマスメディアをより良くすることはできるだろう。しかし、日本のマスコミがよく反体制的なポーズを取るのは、眺める人にとって面白いからであり、私たち自身がそういったことを求めているからだ。一国の政治は、その国の国民の民度を出ないといわれるが、一人一人がメディアに負けない発言力を持つ今、我々はもっと自らを磨いて民度を高め、メディアや政治に反映させるべきなのだ。そのための方法は二つある。
 まず、第一の方法は多くの人の意見に耳を傾けることだ。私の祖父母のアメリカ軍の空襲に関しての見解はまったく別のものだ。米軍が奈良をあまり襲わなかったのは文化財保護の観点からで、感謝すべきと言うのに対して、もう片方はわざわざ山奥の軍事的に価値の無い地域を焼いて無駄に国民感情を刺激すべきでないと判断したからだという。同じ時代を生きた人たちではあるが、同じ出来事に関してもこんなにも意見の相違が生まれる。どちらか片方だけでは偏った考え方しか出来なくなってしまうだろう。
 さらに、第二の方法として普段から私たちが得る情報を全て鵜呑みにしないようにすることだ。戦時下の日本で多くの人が日本が勝っているということ信じて疑えなかったのは、情報を見極める目の修行が足りなかったからで聞かされた戦況が絶対に真実であると思いこんでいる人ばかりだったからだ。もちろん、一部の人はそれらの発表の全てが真実でないと気がついた人もいたが、彼らの発言力は全体の中で極めて小さく、周りの人を感化させるには至らなかった。しかし、今の我々には発言できる手段やより正しいと思われる真実を追求する手段があるのだからそのような努力を欠かしてはいけない。
 確かに、まだまだ個人の発言力は小さく微々たる物だ。だが、今までに重ねられてきた前時代の人の想像をはるかに超える技術革新は、これからもインターネット上での個人個人の発言力を強めてくれるだろ。インターネットはたんなる情報の氾濫場ではなくその波を乗り越えるためのサーフィンの練習場になりつつある。一寸の民衆にも五分の民意があるのだから、これからは少数意見も無視できるものでは無くなってきてお互いの意見でよりよい考えを生めるように努力するべき時代がくるだろう。

   講評   nane

 書き出しの第一段落で、重要なことをかなり煮詰めたね。密度の濃い内容。
 マスメディアのせいにするだけでなく、そういう報道を喜んでいる我々自身の問題というのはいい問題提起。
 祖父母の話の例は具体的。ものの見方にはいろいろな可能性があるということをわかりやすく示しているね。
 「インターネットは単なる……」はいい表現。今はSNSにしても、ブログにしても、だれでも世界中に情報を発信できる環境ができている。この膨大な情報が、新しい民意ということになっていく。「一寸の民衆にも……」は面白い加工。うまいね。
 これも清書候補。

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