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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   量と質   シュシュ

 ファミリーレストランでランチを頼むと、お皿いっぱいに肉やら野菜やらが乗せられてでてきたりする。一方で、ちょっと高級なレストランのディナーでは、大きなお皿の真ん中に魚が少し載せられてだされたりする。値段はもちろん後者の方が高い。今の日本社会では、量が少なく値段が高くても質が良ければ商品は売れる。しかし、受験校を偏差値で決めることが当然のこととして捉えられたりと、現在の社会にはまだ根強く内容よりも量が多いことが良いとされる習慣が残っているが、これは問題である。
 考えられる第一の原因は、敗戦後の日本が高度経済成長を経験してきたという歴史的背景にある。敗戦によって何もなくなった日本においては、とにかくたくさん働いてたくさん生産することがベストだった。しかし、今の社会ではこれは決してベストではない。また、少し昔の体育会系の部活では、うさぎ跳びでグラウンド10周や水を飲まないで長い間ランニングなど、ひたすら根性が試されるようなしごきが当然のように行われていた。しかし、最近ではうさぎ跳びがひざを壊すことや、水を飲まないで運動を続けると脱水症状になることがわかっていて、このようなことは少なくなったはずだ。しかし、まだ中学生のときにバレー部の友達が、先輩に遠慮してしまうので水が飲みにくいと言っているのを聞いたことがある。オリンピック選手は科学的な根拠に基づいたトレーニングを行っていても、普通の部活などの間では、根性ばかりが鍛えられることがまだあるようだ。
 第二の原因は、日本人の多くの人が世間からの評判を気にするという社会的な背景にある。世間によって人生における理想的な成功のいわゆる道筋が作られているため、日本では高学歴な人ほど有名で大手の会社に就職している。しかし、アメリカでは高学歴な人ほど、小さくても自分がやりがいのありそうな仕事のある会社を探して、そこで自分の力を試すという話を聞いたことがある。オーストラリアに住むコアラは、大陸と切り離された環境で進化を続けたために、ユーカリしか食べれない、眠ってばかりの適応力の弱い動物になってしまった。世間が前もって決めたような刺激の少ない生き方ばかりしていると、このように人間も強く成長することが難しくなるかもしれない。(自然科学実例)
 確かに、世界にはまだ量が不足していて飢餓などの問題が残っている地域もある。しかし、現代の日本社会における、質よりも量が重視される傾向があることは問題である。悲劇の女王マリーアントワネットが、豪華なドレスや装飾で飾り立てた自身の姿を肖像画にしてオーストリアの母親マリア・テレジアにそれを送ったら、政治的才能もあり聡明なマリア・テレジアはそれを見てとても怒り嘆いたというシーンが、マンガ「ベルサイユのバラ」にある。マリア・テレジアは「若いのだからシンプルな方が美をひきたてる」と言って、浅はかな女王の行く末を非常に心配した。不安は的中して、後にマリー・アントワネットが死刑されたことは有名だ。技術の発達によって不可能なことの方が少なくなった今、日本人が考えねばならないことは、何のために生きるかではなく、どうやって生きるかだ。

   講評   nane

 若いときは、質よりも量で、食事も大盛りに人気があるけど、シュシュさんは違うのかもね(笑)
▲更に魚が乗る。
 スポーツの水飲みの話はいい例。今も昔も根性が大事というところがあって、科学的な指導は二の次というところもある。確かに量が質に転化する場合もあるけど、その場合でも質に転化することが大事なのであって、量そのものが大事なのではないからね。
 複数の原因というのは、大体いつも同じパターンになる。理由や原因というのは範囲が狭いからね。その判定に対策や方法は比較的範囲が広い。しかし、原因も自分で一つでもオリジナルに考えると、それがいろいろなところに応用できるようになる。余裕のあるときには、そんな新しい原因を考えてみよう。
 「ベルサイユのバラ」は人気があった漫画だね(笑)
 量と質の問題を、「何のためにではなく、どうやって」の名言に結びつけようとしたところは面白い。これを原因の一つにしてもよかったかも。

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