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　　　尊敬できるハエ　　　ミスターカービィ

イエバエの寿命はヒトを、平均６５年とすれば、イエバエはわずか二週間です。ハエは、助走も加速もせず、ある場所に自由にとまり、自由に飛びだすことができます。ハエがむだな運動をしないことは、活動のエネルギーをたいせつにしていることになります。　
　ぼくが「ヒトとイエバエの対比」を読んで、驚いたことが二点あります。一つ目は、イエバエが卵から幼虫、サナギ、成虫への変化を足った二週間で行うことです。イエバエは、この地球上にせっかく産まれても、わずか二週間の命しかありません。
　それに比べると、ぼく達人間の寿命は、８０歳で驚くほど長生きです。イエバエは、短命ですが卵をたくさん産み、子孫を残すという大きな役割を果たすことは、とても立派です。
　短命なものの中に、ウスバカゲロウがあります。このウスバカゲロウは、幼虫のとき、アリジゴクとして地中で数年過ごし、成虫になってからは、地上でわずか、約１日の寿命です。それに比べると、ハエは、二週間も生きられて幸せだ、と思います。
　しかし、生きられる期間の長短で幸せか不幸せかは、分かりません。一生懸命、与えられた命を大切にして、子孫を残す努力をしなければ幸せとは言えません。ぼくの母は、いつもぼくにこう言います。
「今の世の中は、人間は、怠け者でも食べ物に困ることはない。ヒトの役にも立たないで生きるのは、恥ずかしいことやで。」
　ぼくの周りを見ても、コンビニの前で地面に座っている高校生や駅前の自転車置き場の整理員も７時から１０時までなのにこない日もあるし、自分への役目も果たさずに平気な人が多いです。ぼくは、ハエのほうが一生懸命、役目を果たして生きているし尊敬できます。ハエがしゃべったら、一生懸命生きていない人に叱ってやってほしいほどです。
　二つ目に驚いたのは、ハエがもの凄いスピードで飛んでいても壁などにぴたっと止まれることです。ぼくは、朝日新聞の日曜ナントカ学の記事におもしろいものをみつけました。世界で一番速いエレベータは、台湾の世界一高いタワー「台北101」にある最高速度　分速１０１０メートルの日本製のものです。時速６０キロでも、このエレベータの中では、振動がほとんどなくコインが立ったままらしいのです。まるで、この光景は、サーカスのようです。
　ぼくは、スピードが速いだけが決して、良いとは思いません。ハエが超スピードで生活しているのは、寿命が短いからに違いありません。人間は、寿命が８０年もあるのだからせっかちに生きなくても大丈夫です。
　ハエは、二週間しか生きられない命、人間は、健康ならば８０年の命、与えられた命を大切に生きることが大事です。寿命が短くても、やるべきことを成し遂げればそれでいいのです。これが誰にも恥ずかしくないきちんとした生き方です。

　

　　　講評　　　ita

　いい感想文を提出してくれましたね。立派な内容からあんなに小さかったカービィー君が、もう5年生になるのだということを実感しました。
【第一段落】
　いい三文抜き書きです。これの字数を少し伸ばしたのが要約になります。この調子で問題ありませんね。
　中心の書き方もさまになっていますね。今回のように最初から数字で示していると分かりやすいです。
【第二段落】
　「長く生きられるから幸せだ」ということに疑問を持ったところがいいですね。何かの役に立てているかどうか、が問題だという意見はすばらしいと思います。ハエにおこってもらいたい、という思ったこともカービィー君らしくていいですね。
【第三段落】
　先生もこの記事を読みました。「日本人はエレベータに対して厳しい」と書いていましたね。ここで先生は、人間の便利になるように要求するのではなく、人間の気持ちを変えることも必要なのではないかしら、と思いました。速さだけが幸せになる手段ではないものね。
【第四段落】
　「太く短く生きる」という言葉がぴったりですね。与えられた命を精一杯私達も生きたいものです。よくまとめました。