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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   共同体意識   あにせ

 現在、世界には法によって運営されている国と、共同体的な考えで運営されている国がある。アメリカのような法治国家は近代的な考えと言えるが、日本は昔ながらの共同体意識が今でも残っている。
 学校にも規則というものがあって生徒もそれに従って動いているが、それを違反してしまう時もある。しかし、それをわざわざ先生に告げ口することはない。友達同士の間で暗黙の了解のようなものがあって、誰かが違反しているのを見てもわざわざ先生に言うことはないのだ。友達という大きな社会の中で、友情を守り共同体として生活している。
 私は今の日本のままの共同体的意識を持った考えを守った生き方をしたい。
 そのための方法として法や規則にとらわれ過ぎないことだ。私の学校では、登下校中でも携帯電話を出してはいけないという規則がある。見つかると、特別指導という名の厳しい罰が待っている。私は土曜日の部活のあと、母の迎えを待っている時に携帯電話を出していた。土曜日だから、先生はいないだろうと思っていたからだ。そう思っていた時、私の目の前をある先生が通ってしまった。私は焦って携帯電話をしまったが、その先生は何も言わず少し私のほうを見てから軽く微笑みそのまま通り過ぎて行った。月曜日に担任に報告されてしまっていないだろうか、ととても不安になっていたが、結局何も言われなかった。後から聞くとその先生は学校でも人気の先生らしく、あまり校則がどうとか言う先生ではないらしい。きっちりしすぎている先生はあまり好かれていないような気がする。私は共同体意識を持っているであろうその先生に救われた。
 また、あまり言われなくなった「親孝行」を教育に取り入れることだ。戦後、日本がアメリカの考えになってしまった時、戦前まで繰り返し教えられていた「親孝行」は封建的な考えだと言われるようになった。そのため、親孝行するより個人の自立を教育するようになってしまった。日本での組織には家族のようなものがあった。豊臣秀吉が織田信長のぞうりを懐で温めていたと言われるが、それは秀吉と信長の間に親子のような関係が築かれていたからだと思う。しかし現代では機械のような、契約だけで結ばれているようなそんな関係になってしまった。だから古い考えとは言わず「親孝行」できるような考えを子供達に教えていくべきではないか。
 確かに、法や規則に沿って行動することは社会に生きる中でとても重要なことである。しかし人は契約で繋がっているのではなくお互いに支えあい生きている。ルールに縛られすぎて人間関係を崩すようなことはしたくない。現代の日本の社会はアメリカの考えになりつつあるが、昔の日本のような仲間を大事にした考えは生きる中で必要ではないだろうか。だから私は共同体的意識を大事にして生きていきたい。

   講評   nane

 携帯電話の例は、いいね。
 でも、これには、もう一つ複雑な話があって、ある学校では携帯電話を絶対禁止にしている。それは、その学校が生徒を家族のように思って、共同体的に管理しているから、生徒の自由を認めないという背景がある。法治的に冷たくやるのであれば、携帯を持つ持たないは個人の自由で、学校はそんなことに関知しない、となる。
 親孝行という言葉は、今では死語のようになっているけど、実はこのへんが一番大事なことかもしれない。共同体の思想家である孔子の言葉にもそういうものがある。
 「人は契約で繋がっているのではなくお互いに支えあい生きている。」は、光る表現。契約だけでつながっているというのは、日本では受け入れられないところがあるものね。


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