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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   昔話に秘められた力   レックウザ

 「ひとまず、文学的に価値のある作品とは、「私達の心を楽しませ、人間についての私達の理解を助けてくれるもの」と、表現しておく。この「心を楽しませる」ことの中には、内容だけでなく、その表現の形式から来る美しさが、私達の心を楽しませることが含まれていることを、特に指摘しておきたい。昔話は、なんと言っても本来語り伝えられてきたものなので、語って聞かせる話の備えていなければならない基本的な条件を満たしている。それは、文学のもとの形と言って良いものですから、そこには、人間が物語を生み出し、それを支えてきた心の動きや力のもとが内蔵されている。話に興味を持つものにとっては、昔話は、たえずそこに自分を潤しに帰っていかなければならない泉のようなものだと思っている。」
 桃太郎は、日本でとても有名な昔話だ。幼い頃、私は幼稚園から帰ってきては自分の部屋で桃太郎の本を繰り返し読んでいた。同じところを、とにかく何度も読み続けた。なぜ私は、そんなに桃太郎の話にひかれていたのだろうか。それは、桃太郎が次々と仲間を増やしていくところだった。それだけ?と思う人も少なくはないと思うが、今でも私は、この場面がなければ、桃太郎は鬼が島で鬼を倒せなかったと考えている。なぜなら、いくら桃太郎が勇ましく強くても、多くの鬼に一人では歯がたたないからだ。こんなにはっきり言うのも失礼なのだが。皆も知っているように、鬼が島へ行く間、犬、猿、雉と順番に桃太郎の仲間に加わっていく。そして、動物達と鬼をやっつけ、村の住民達に奪われた宝を返すという設定になっている。もし、桃太郎が動物達と会っていなければ、そして仲間にならなければ、桃太郎は一人で鬼を倒せただろうか。いや、その可能性はとても低い。しかし、動物達が仲間になり、鬼が島で共に戦ったからこそ、鬼を打ち負かせたのだ。無論、勇気と強さが桃太郎たちにあったからこそ勝てたのだが、それだけではなく、強い友情の絆があったから勝てたのだと私は思っている。共に歩き、共に海を渡り、共に汗を流したからこそ、強い友情が生まれたのだ。
 私は「一番印象的な昔話は?」といわれると「桃太郎」と答えるが、父は浦島太郎を思い浮かべるらしい。私はなぜ浦島太郎が一番印象的なのか、父に尋ねた。
「ねえ、どうしてお父さんは浦島太郎が印象的なの?」
「それはね、浦島太郎の世界ではタイムスリップというのがあるからだよ。浦島太郎が海の底の竜宮城で優雅にときを過ごしているとき、彼の世界ではもう何十年と経っていた。そして彼が自分の世界に戻ると、もう知っている人たちは誰もいなくなり、家もなくなっていた。うーん、謎に包まれていていい昔話だよね。」
謎解きが大好きな父は、まるでいい夢でも見ているかのような顔をして私の質問に答えた。私は、父が思うほど浦島太郎がいい話とは思わないが、父にそう言われると、まあまあいい話かもと思った。
 人間にとって昔話とは、私達が絶えずそこに帰る泉のようなものである。昔話というのは、単にそこから話の材料が得られるからというだけでなく、親しむことによって、「物語」やそれを「語る」ことの意味が少しずつわかってくるものだ。子供の時代に、少しも昔話にふれることなく育ったら、文学を味わい楽しむために必要な、何か非常に大切な要素が欠け落ちてしまうのではないだろうか。「灯台下暗し」、私は、身近な昔話には、何か大きな力が秘められていると思っている。

   講評   hoemi

がんばって清書できたね。来週からは新学期。またはりきっていこうね!

☆4月1週の欠席の件、了解しました。4月2週からは日本時間の火曜日午前8時30分に電話をさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

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