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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   専門家の活用法   うっちー

 現代日本では専門家が幅を聞かせている。先日行われた統一地方選挙の立候補者の職業を見てみると現職、元県知事、官僚などといったいかにも政治に詳しそうな人たちがずらりと並んでいる。今の日本では政治の専門家のように見える人以外が当選することは難しい。宮崎県知事選では一人一人の手を取って宮崎を良くしようと清潔さをアピールしたそのまんま東氏が当選したが、これはまだまだほんの一部でしかない。あまりにも細かい知識が要求されるようになってきて、専門家に知識は一般人には徐々に理解不可能になりつつある。その一方で専門家たちが自分たちの知識を他人が理解できないことを良いことに、自分たちを特別なように思ってしまうことがある。専門家たちやその知識と一般人の交流がなくなりつつあることが今の日本の中で問題だ。
 その第一の原因は、日本人がそれぞれが何かのスペシャリストになることで日本が発展すると言った時代が長く続いていたからだ。そのためにはと導入された文理分けで私たちは早い段階からスペシャリストになれるように教育されている。私の学校では文理を高校二年生から分けるので高校一年の秋頃には自分の人生のおおよそ半分の可能性を早速捨てなくてはならない。なかなか頭を悩ませる人もいたようだが、私は数学という一点であっさりと文系を選択したのだった。(笑)これは効率は良いかもしれないが、理系のテスト向きの頭ではないといって優秀な人材を失ってしまうかもしれない。
 また第二の原因は、日本社会が分業制によって運営されていて何かに特化した知識を持とうとするからだ。今の政治家を見ても道路族や郵政族と言われる族議員たちばかりだし、最も元気の良い企業のトヨタでは二万にも及ぶ細かい部品をそれぞれの専門工場に発注する。分業ではある分野のみに特化していれば後は仲間がどうにかしてくれるという考えがあるが、それでは自分の知識の殻に篭ってしまうような行為だ。ヨーロッパではネアンデルタール人の化石骨が発見された時、これは昔の人間などではなく、ナポレオン戦争時に部隊から落伍してしまった腰の病気を持っていた哀れなロシア兵であると述べられた。これを当時の一流の学者が太鼓判を押してしまったのでこの説は長い間信じられてきた。これを肯定した学者からすれば今の人間が昔はより猿に近かったとは自分の中ではありえなかったのだろう。
 確かに専門家たち同士で上手く協力しあえれば、その知識はかなり有意義に使われるだろう。しかし、知識を得ることはデータを知ることだけではなく、データの運営方法を学ぶことも重要なのだ。前者の知識に秀でている人は多数いるが、後者の知識を持っている人はあまりいない。そういった知識は専門家たちから見たらずぶの素人たちとの交流で培われるが、分業意識と専門家のプライドがそういったことを許さなかった。多くの人が大学に行って専門的な知識を学んでいる今だからこそ、その知識が専門家同士の自己満足で完結している現状が問題なのだ。

   講評   nane

 時事的な話題で、専門家の問題を取り上げたところがいいね。政治家も、行政のプロである官僚にはなかなか太刀打ちできない。アメリカのように、役人のトップを入れ替えられるような仕組みにする必要があるのかもしれないね。
 理系文系の体験実例がおもしろく書けた(笑)。今の日本では、数学が好きか嫌いかで文系理系が分かれてしまう面がある。それはやはり不幸なことだからね。さかのぼれば、数学の勉強のさせ方に問題があるのだと思うけど。
 特化した知識のトヨタの部品の例もいいね。自動車産業なども、昔流のベルトコンベア方式では働く人の生きがいが反映しないという問題がある。だから、今はボックス型で一人の人ができるだけ全体の工程に関与できる仕組みを作るところ出ているらしい。
 「多くの人が大学に行って専門的な知識を学んでいる今だからこそ、その知識が専門家同士の自己満足で完結している現状が問題なのだ」は、切れ味のいい意見。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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