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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   フリスビーを手裏剣以上に楽しむには   かいち

 「ここは広いし草のにおいがするから気持ちいいなぁ。」僕は、この前家族でそんな森林公園へ行った。今まで人がまばらなときにしか来たことがなかったので、花見に来ている人たちがすごく邪魔に見えた。当初は公園の奥の方にあるお気に入りの木で、木登りをするつもりだった。しかし、父が「桜の下がいい」と言うので、僕たちは頭を使い、ひとの多いふもとをさけ、丘の中腹に陣を張った。木登りができなくなってしまったのは残念だった。(書き出しの工夫)
 その時たまたまフリスビーを持っていたので、かわりにそれで遊ぶことにした。やってみると父が案外うまかった。「やるなっ」と思い、僕も何回も投げてみた。フリスビーを持つ指を変えたり、離すタイミングを変えたりした。すると、だんだん上達し、ついに上手く投げられるようになった。忍者の手裏剣のように速くかつ正確に飛んでいった。その時には木登りのことなどとっくに忘れていた。(たとえ)
 さて、僕は公園でフリスビーをして遊んだわけだが、今の時代遊びといえば大半がゲームなのではないか?それならば、この運動とゲームという二つの遊びは何が異なるのだろうか。
 まず一つは身体を動かすかどうかだ。もちろん運動をすれば、体を動かす。健康にもよい。しかし、ゲームはどうだろうか?ほとんどといってよい程、体を動かさない。目は悪くなるし、太る。不健康の一言に尽きる。
 もう一つは想像して創造するかということだ。運動の代表として、ここではフリスビーを例に上げると、「フリスビーを持った手を背中に回し、反対のうでの脇の下から投げる」「股の下から投げる」など、色々な「技」を創ることができる。もちろん可能性は無限大だ。ゲームにも色々な「技」や「武器」があるが、それらはプログラム化されているために創造することができず、ただ選択するだけになってしまう。(体験実例)
 この運動とゲームの想像して創造するか否かという関係は、前回の物語と映像の関係に似る。物語なら自分独自の世界が創れるが、映像は一つの世界に限定してしまう、という関係だ。想像して創造できる世界でこそ、無限大の楽しみが味わえるのだ。
 このように運動とは人間にとって体力をつけられるものでもあるが、楽しみながら想像力と創造力を鍛えられるものでもあるのだ。だから、ゲームばかりしていないで、運動をしよう!野球でもサッカーでもよい。ゲームなんかより楽しいから、やめられなくなって夕方まで遊び続けてつかれてしまうだろう。ただし、翌日筋肉痛になっても、当社は一切の責任を負いかねます。(一般化の主題)

   講評   nara

 連休、まずまずの天候だったから、筋肉痛になるような外遊びがたっぷりできたのではないかな? 今回の作文のおもしろさは二点ある。まず、具体例と後半の検証部分の響き合い。フリスビーという道具としては単純なものを使って、これだけ楽しめるのだということが、丁寧に論じてあるね。前半だけだと説得力がないし、後半だけだと実感が伴わない。両方あってこそだ。そして、もう一点はちょっとしたユーモアを交えているところ。もしや、こう書いている筆者(かいち君)が実はひどい筋肉痛だったのかな、と読み手がニヤリとしそうだよ。部活や習い事でのスポーツはさておき、筋肉痛で体が動かないということを体験する機会が、身の回りからどんどん減っているかもしれないね。筋肉痛は悪いものか? 意外にもその痛さが体を動かした実感を与えてくれて、そう悪くもないかもしれないな。
【構成】伸びやかさの伝わる書き出しだ。会話以外に、情景をカメラで追っているような説明を入れてもおもしろそうだ。
【題材】フリスビーの投げ方の説明が詳しい! これはやっているからこそ書けるのだね。ちなみに、テレビゲームはあまりやらないのかな。「やっているときは楽しいけれど、終わってみると……」という対比説明があってもいいかな。
【表現】最後のシメは、ユーモア表現ととってもいいね。ところで、題名に入れた手裏剣のネタは、もう少し本文でもふれられると絡みがよくなりそう。「忍者の手裏剣のよう……」だけでなく、「手裏剣以上」に関する部分があるといい。今の世の中、手裏剣は投げたくても投げられないから、そこで笑いにつなげられるかな。
【主題】「想像と創造」はうまく入れてある。技に自分の名前が入る(かいちスペシャルとか)くらい、カッコイイ投げ方が生み出せると、楽しさも無限大だ! 

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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