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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   少年のころの桜は(感)   千鳥

「桜前線」という言葉があるが、この言葉はいただきかねる。季節感はやはり微小感覚のものであり、巨視的に日本列島全体を見下ろすスケールは、どうにも花見のさまではないと思うつまるところ、昔からある「花だより」のほうが、はるかに季節感に富むのである。ところが、枝を離れた花弁を見ていると、それが地面に着地する状態を、ぴたりと言い表す言葉がないのに気がついた。一斉に散るのは、「花吹雪」、「散り交じう」という言葉がある。だが、自分の重みだけで離れていく動詞は、簡単には見つからない。ひらりひらりと自分の重み静かに漂うがごとく、しかし確かに地上へ降りてゆく。それは、「漂う」でも、「降りる」でもない。自然はついに、言語の及びいれないものなのだろうか。「降る」でもよいのではと思うのだが、時間をかけて浮かびながら落ちる微小感覚が、「降る」には欠けていてもどかしい。もし日本語にそのような言葉がないのなら、それは日本語の語彙の貧弱さを意味する。(要約)
 僕のうちの前には、パリなのに桜がある。詳しく走らないが、友好の証ということと、前大統領のシラクが日本贔屓だったことが理由らしい。日本贔屓という点はうれしいが、僕は別に桜がきれいとは思わない。よく言われるのだが、僕は旅行につれて行ったりしても、全然かいがないらしい。つまり感性が乏しい、ということだ。入園式のとき、誰かが気持ちよさそうにやっているのを見て、桜吹雪に向かって走ったことがあるが、花弁が目に入って嫌な思いをしただけだった。(体験実例)桜は日本の国花なので、一応好きになってみようとしたが、うまくいかない。母は、「あのあっという間に散る可憐な姿が人気なんじゃない?」と言っていたが、正直「どこが?」という感じだ。例えると、猫に小判?という感じだ。(たとえ)
好きか嫌いかは別にして、「花弁が地面に落ちるまでの間をぴたりとあらわす言葉が見つからない」というのは、なるほどな、と思った。花弁がひらひらと落ちる光景は、入学式などの始まりのイメージがある。僕としては、一番適切なのは、「舞い落ちる」という言葉だと思った。「落ちる」だと、何となく縁起の悪い感じがするので、「舞」をつけた。
「帯に短したすきに長し」という言葉があるように、人間にとって言語とは必ずしも適切な言葉が見つかるとは限らないとわかった。(一般化の主題)

   講評   unagi

 <構成>大事なところがしっかりと入った要約です。
 <題材>桜にまつわる体験実例がよくまとまっています。シラク前大統領のことや家族から聞いた話などが加わり、実例がさらにいきいきしています。
 <表現>ことわざをうまく使ってたとえが書けました。また、別のことわざも主題にからんでいて上手いです。

 <主題>一般化の主題がきっちりとできました。
「花弁が地面に落ちるまでの間をぴたりとあらわす言葉」に対する自分の答えを考え出したところがすごいです。「落ちる、は縁起が悪い」という説明も気が利いています。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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