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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   お金に換算できない価値   ☆shooting star☆

 木が本来持っている価値を生かすことと、商品として木を高く売ることとは、必ずしも一致しない。木目の一定な輸入木材に比べると、国産材の工場は今も職人の世界である。木の文化を守り、山の木を単なる商品にしてしまわないためには、職人的な腕が生きていなければならない。その腕が健在である間は、木と人間は一体化して、木の文化をも作り続けることができる。私は、お金に換算できない物の価値を、大切にしようという考え方が大事だと思う。
 私がそう考える理由は二つある。その理由の一つ目は、お金に換算せずに物事を考えると、その物の本当の良さが見つかるからだ。ある日、母が私にある事を訊いた。珍しく勉強に励んでいた私に。(笑)
「この服、まだ着るの?」
私が母の方を振り向いて見ると、母は二枚の服を持っていた。どちらとも、中国にいる仲の良い親友の服とおそろいのものだった。
「もうこれ小さいでしょ?新しい服買ってあげるから、もうこんな小さい服着るの、やめたら?なんだったらあなたの好きなブランド物の服、買ってもいいし。」
私はちょっと迷った。確かに、そのおそろいの二枚の服は、私には少し小さくなっていた。それに、前から欲しかった、ブランド物の服も買ってもらいたかった。私はしばらくの間、足を組んで考えた。ようやく思考するのを終えると、明るい声で答えた。
「ううん、やっぱりその服、クローゼットに入れておいて。新しい服も、まだいいや。」
あら、そう、と母は言い、親友とおそろいの服を私のクローゼットの中に再びしまった。なぜ、私がその二枚の服を選んだかというと、友情を大切にしたかったからである。当時、私はアメリカに、親友は中国に滞在していて、お互いとても離れた場所にいた。そのため、会えるのは、一年に一度という、極めて少ない回数だった。だからこそ、お互いの友情を大切にしたかったのだ。親友との友情の証として、その親友とおそろいの二枚の服を、大事に保管しようと思ったのだ。そのため、新しい服をあきらめたのであった。
 また二つ目の理由として、逆にお金に換算して物の価値を考えると、その物の本当の価値が見えなくなってしまうことがあるからである。現在の各国で、自然破壊が多く発生している。伐採業者は、木々を切れるだけ切り、それを玄関の表札などに変換したりする。建築家は、たくさんの木が切られた場所に、工場や物件を建てる。そのたびに、自然がなくなってしまう。この状態が続けば、自然はこの地球から必ずなくなる。これらの多くの職人は、木を切り、建物を建てる。その結果、その国の経済は豊かになる。その代わり、自然というお金の価値では表せない大切なものを、失うことになるのだろう。今の職人に必要なこと。それは、少しの間、経済の社会から離れ、自然に目をつけてみることだ。そうすればきっと、その職人達は自然という重要なものの価値を知り、木の文化を大切にするよう努力をするだろう。
 確かに、物の価値をお金に換算して考えるとわかりやすい。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは、何一つ自分の財産ではない」という名言がある通り、お金には換算できない物の価値というものも大事にするべきだ。少し自然に目をやり、今の自然界と経済を比べてみて欲しい。特に製材の職人達には、どうすれば山の木を単なる商品にしてしまわないようにできるのか、じっくり考えてもらいたい。そして、木の文化を作り続けて欲しい。

   講評   hoemi

 全てをお金で判断することには疑問が残るよね。お金に換算できない物の価値について、しっかりまとめることができました。
《一段落目》 要約はバッチリできているね。是非の主題も分かりやすく挙げることができているよ。
《二段落目》 たしかにブランド物の高価な服を買ってもらえるのは嬉しいよね。それでも、☆shooting star☆さんが中国にいる親友との友情を選べたのは、お金に代えることのできない価値を友情に見出したからだよね。体験実例が具体的で良かったよ。
《三段落目》 経済という視点から見た自然と、自然そのものの存在価値という視点から見た自然。どちらも比べることはできないけれど、お金の価値では決して表すことができないことだけは誰もが認めるところだろうね。
《四段落目》 お金に換算することのできないそのもの本来の価値を見失わないようにすることが大切だよね。反対意見への理解〜名言の引用をして、自分の意見を最後に強調することができました。

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