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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   金魚を救え!   一休さん

 社会の中で生きる私達は自然に時間という鎖に拘束される。限られた時間の中で自分の役割を果たすために懸命に動き回る。人々は常に前を目指しながら流れる時間の波に乗るのである。しかし人々、特に日本人はこの波から降りること、すなわち休養に強い抵抗がある。厳格な現代社会で生き残るための努力を絶やさない姿勢は素晴らしいが、自分自身を見直す時間を減らすことは本来の己を失う危険がある。だから私は人々は自分と向き合う時間を大切にして人生に余裕を持たせるべきだと思う。
 その第一の方法は毎日、自分が体験したことを整理する時間を作ることだ。記憶を定着させる時間を意識的に作ることで本来の自分を維持し続けることが可能である。私の学校では「倫理」という科目で、人としての倫理観を養う勉強を行っている。その科目の担当の先生は、最初の授業に奇妙な課題を出した。それは「一日のどこかで三分間横になって、自分について考える」というものだ。私はこの課題が出される前に、意識的に真剣に自身と対面する行為をしたことがなかった。実際、この課題は大きな成果を上げた。前方しか無い狭い視野から側面や後方も見える視野に拡大したのである。当然、この課題だけで大幅な生活のリズムの改善はできるわけではない。しかし、この課題を習慣付けることで自分を見失わない一つの方法となった。(体験)このように自分と話すだけで人生に余裕が生まれ、進歩することが容易になる。
 その第二の方法は自分を向き合う時間を簡単に得られる社会を構成することだ。現在は大きな格差社会で怠け者はすぐ転落する。すなわち生きる余裕が無いのである。余裕が無いから前進が困難になって現在地に留まり、留まるから余裕が無くなる。この悪循環に陥る人はたくさん存在する。だからこそ、社会変革でこの悪循環を打破する必要がある。日本では近年に週二日制を取り入れて、ようやく余裕が出始めた。服装を軽くするクールダウンなど様々な政策を用いて余裕がある社会をつくることが、人々が自分を省みる機会を増やすことに繋がるだろう。
 確かに、政策によって余裕を出しても、人間が自分どころか社会にも向かないで遊んで堕落した生活をするようでは意味が無い。しかし、パクパクする口を水面に出す金魚みたいに余裕が無い人間が多数存在するのは事実である。だから、社会制度の改革は必要である。改革は短時間で行えるものではないから、やはり大切なのは個人が自分と向き合って、順調に進化できるような足場を構築することだ。「社会改革は政府でなく民衆が発端である」という自作名言通り、人が動かねば社会は動かない。意識的に自分と向き合える人々が一人でも増えて余裕が増えれば、全体の大きな余裕となる。だから、私は人々は自分と向き合う時間を大切にして人生に余裕を持たせるべきだと思う。

   講評   nane

 冒頭の問題提起がはっきりしている。
 倫理の授業の実例は面白い。こういう授業がたまにあると、改めに自分をふりかえるきっかけになる。考えてみると、自分をふりかえる暇があったら先に進めというような価値観の世の中だから、こういう時間が大切なのだろうね。
 複数の方法は広がりがある。個人的な心がけでは実現できないことも世界には多いから、社会的方法をいつでも考えておくのが大事だね。
 反対理解は、もっと強く。つまり、正面から「流れる時間」の大切さを考えるというスタイルで。
 「社会改革は政府でなく民衆が発端である」は、そのまま普通の意見になってしまうので、名言にはもう一息。「という自作名言通り」は、なくても可。「時間とは、人生の尺度なのではなく、人生の中身そのものなのである」というような感じで。


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