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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   価値観   くるりんぱ

(要約)木が本来もっている価値を生かすことと、商品として売ることは、必ずしも一致しない。輸入材をひく工場は部品をつくる自動化工場のようであるのに対し、国産材をひく工場は職人の腕によって支えられている。すなわち、商品としての木の価値を優先するのではなく、職人が木自体がもっている価値を生かそうとすることは木の文化を支えることにつながっている。(是非の主題)だから私は、お金に換算できない価値を大切にしたいと思う。その理由は二つある。
(複数の理由一)第一の理由として、お金に換算せずに物事を考えると、その物の本当の価値が見つかるからである。(体験実例)私の子どもは小学二年生の男の子で、たくさんのおもちゃに囲まれた生活を送っている。特にお気に入りはヒーローもののおもちゃである。しかし、昨日までわが家で大事にされていたヒーローも、テレビ番組の改編による新しいヒーロー出現で、いとも簡単に主役の座を奪われてしまう。このように子どもの興味対象が変わるとともに使われるおもちゃも変化し、かなりのおもちゃが捨てられる運命にある。しかし、その中で唯一赤ちゃんの時からもっている木で出来たイモムシの形のおもちゃが捨てられずにいまだおもちゃ箱の中に収まっている。2歳頃までは毎日のように床の上で転がして遊んでいたが、3歳を過ぎてヒーローものに夢中になった頃から少しずつこのおもちゃから遠ざかっていった。しかし、絶対に捨てることは許してくれない。もう使ってないから捨てるよと言うと、絶対にダメと言い、またそれで遊び始めるのである。「ぼくが赤ちゃんの時は、これでいつも遊んだよね」と子どもながらに昔の話に浸っている。もはや彼にとってこのおもちゃは遊ぶおもちゃではなく、郷愁に浸るきっかけとなるものなのだろう。おもちゃ自体には全く金銭的な価値はないが、彼にとっては思い出のたくさん詰まった大切なおもちゃのようである。
(複数の理由二)第二の理由として、何でもお金に換算して物の価値を考えると、その物の本当の価値が見えなくなることがあるからだ。(社会実例)先日目にした新聞コラムの中に、「将来仕事を選ぶ時に重視するのは、どのような点ですか」と問いに大学の新入生が何と答えたか、という調査があった。「やりがい」という答えが男性も女性も第1位である。次に「仕事内容」と答えたものが続き、意外に若者も仕事の中身に重点をおいていることが分かる。拝金時代と皮肉られる現代だが、「給料」という答えは第3位であった。もちろん給料が高いことにこしたことはないが、自分の仕事をお金に換算することだけで選んでしまうと、この仕事はお金になるからやる、その仕事はお金にならないからやらない、ということになりかねない。しかし、仕事にはお金には換算できない部分もたくさんあるわけで、むしろこの換算できない部分を一生懸命やる人が同僚や顧客から信頼されることが多いのである。何でもお金に換算してものの価値を考えるのではなく、自分の仕事自体に誇りをもつことが重要ではないだろうか。
(反対意見への理解)確かに、ものの価値をお金に換算して考えるとわかりやすい面はある。(名言の引用)しかし、「自分の心のうちにもっていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言があるようにお金で換算された価値に左右されることなく、自分なりの価値観を持ち続けることが大切である。ものごとの本当の価値を見抜く力をつけ、これからも私はお金に換算できない価値を大切にしていきたいと思う。

   講評   hota

 私のミスで、書く順番が1週目と2週目、入れ替わってしまってすみませんでした。というわけで今回の1週目も、実例が充実していてよく書けていました。森リンもまたまた90点に達していましたね。

 今回の「社会実例」の中で、くるりんぱさんが入れてくださったように、「……の調査によると○○が第1位」とか「小学生の○%が塾に通っているそうだ。」などと具体的な数字を挙げて実例とするものを、「データ実例」といいます。今後の課題にも登場しますが、これを入れると、作文やレポートの説得力が増しますね。いい実例です。

 今回は、理由1と2が似てしまったところが唯一の難点でしょうか。私の説明も今ひとつ不明瞭だったかもしれませんが、今のままでは同じことを表裏から言っているように聞こえますね。たとえば、2の方は、「何でもお金に換算して物の価値を考えると、その人の人生までも薄っぺらなものになってしまうからだ。」などとすると、この実例にちょうどいいでしょうか。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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