対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2426 今日639 合計52975
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   効果的な間   くるりんぱ

 話し上手の人がいる。話し上手とよばれる人は、意識して、あるいは無意識のうちに、うまく「間」をとり入れている。いかなる名言、名文句も、同類のものがただすきまなく積み重ねられるだけでは効果が乏しく、余韻とか余情、ふくみなどはすべて、「間」のいかし方にかかっている。このように私は、ものごとにおいて「間」をいかすことはとても大切なことである、と思う。
第一の理由は、緩めるところがないと力を発揮できないからだ。私は高校の教員で、昨年までバレーボール部の副顧問をやっていた。練習をする際、小さいグループをつくらせるが、そのときは必ず誰かが休めるように工夫していた。サーブ、レシーブ、トス、スパイクと4つで一連の流れで練習をするとき、4人でグループをつくらせるのではなく、5〜6人のグループをつくり、必ず誰かが交代で休めるようにするのである。強くなるためには練習量が多い方がいいのは確かだが、がむしゃらにやりさえすれば強くなるというわけでもない。適度にからだを休めながら、ここぞというときに力を出していくほうがより効果的である。すなわち、物事には緩急のメリハリがあってこそ、力が最大に生きてくるのではないだろうか。
 第二の理由は、間を入れることで相手の注意をひき、自分自身も余裕をもってものごとに対処できるからである。レッドソックスの松坂大輔は、開幕直後は思うような投球ができずに悩んだそうである。5月に入り復調の兆しが見えてからのインタビューで、投球の際、去年までと微妙に違う間に戸惑っていた、と答えているのをテレビで見た。投球の際の一連の動作には他人にはわからないリズムが存在するということなのだろう。打者を前にした投手は、相手を意識しつつセットポジションにはいる。そして、ボールが手を離れるまでに手、腰、足などが一つの動きをつくる。その一連の動作の中には相手との無言のやり取り、自分との対話が込められているのだ。つまり、2人のあいだには言葉こそないが、間をとることによってかけひきがおこなわれているのだ。だから単純に投手は打者めがけて力任せで投げればいいというものではないのだろう。このように、間を入れるは力ずくで押し切るときよりも効果的な対処ができるのではないだろうか。
 たしかに、全力で取り組んでいくことは必要である。「ライオンは、一匹のウサギを倒すためにも、全力を尽くす」という名言もある。しかし、ライオンは決して年中全力疾走しているわけではない。ここぞ、というときにのみ全力を尽くすのである。むしろ、何事においても間というものを大切にし、緩急のリズムをつけていくことが大切なのではないだろうか。間を入れることによってはじめて次の動作や話が生きてくるからである。私自身も適度な「間」を大切にし、常にまわりの状況を把握できる余裕を持ち続けたい。

   講評   hota

 中1生の課題も、すっかりマスターされましたね。次週はいよいよ進級テストで、7月からは次の課題となります。忙しいお仕事の合間を縫って実例を探したり、大変だと思いますが、是非この調子で書き続けてください。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)