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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   表と裏   蝗騎手

 私は小学生の時から書道を習っている。初めは、長い時間正座をして背筋を伸ばし、半紙と向き合っていることが苦痛だった。しかし、今となってはそれが自分自身の中身に大きく影響していると考えている。このような姿勢をすると、心が引き締まる。ただ、外見にこだわるのではなく中身が伴っていなければ…という考えもあるだろう。だが、掃除のように外見を磨くことを始めると中身も共に洗練されていくと思うのだ。私は外見より中身という風潮に問題があると思う。
 その原因として第一に、敗戦による日本文化の否定と社会の自由化ではないかと考えられる。私は、今の社会は上下関係が崩れてきているように感じる。例えば、学校などで、先生と敬語で話すのではなく友達のように接している光景をよく見かける。呼び方もあだ名だったり、様々だ。昔からある形というものに、今は全くはまっていない。だが、極端なことをいうと、このような態度だとしても、敬う心を忘れなければ良いとされる社会になってきているのだ。これではいけないと思う。きちんと外からそれを表現していかないと中身にも響かないはずだ。外から作り出す心の方が私はいいと思う。
 そして第二の原因としては、科学技術の発展によって従来の型に収まりきらなくなっていることだ。私は年賀状という風習はとても好きだ。一つ一つ手書きで仕上げていく作業が面白い。だが、今はメールがあるから新年の挨拶というのは、葉書ではなく携帯やパソコン画面を見ること。こうなってきている。一度、年賀状が一日に間に合わないからということで、後日届く年賀状と同じ文章のメールと動物の画像が送られてきたことがあるが(笑)。このように、今と昔では全くといっていいほど物に対する考え方も変わり、それがどんどん一般化してきつつある。だが、やはり見るだけで心のこもっているとわかる物の方が、喜びは何倍にも跳ね上がると思うのだが…。
 確かに、中身という基礎から外身が強化されていくこともある。しかし中身は何かに伴い出来上がるものではなく、外にあるものから吸収して作り上げられるものであるはずだ。どんなに中にこだわりを持っても、最初に人間が触れるものは外側に飾られているものである。中身はそのあと引っ張り出される。プレゼントのように簡単に壊せるような外見ではなく、中身を守れるようしていきたい。やはり私は、外見より中身を優先する風潮は問題であると思う。

   講評   nane

 書き出しの実例がぴったり。確かに書道では姿勢を大事にするものね。たぶん、欧米では(書道そのものがないけど)、姿勢よりも対象である文字の方に関心が向くだろうからね。
 日本文化の否定と社会の自由化とは、渋い原因(笑)。しかし、確かにそういう面はある。たぶん、今の親の世代の人の多くは、この戦後の価値観に染まっている。「外見よりも中身だ」という言い方の方が受けがいいからね。
 年賀状の例もわかりやすい。手書きの年賀状をもらった方が心がこもっている気がするからね。しかし、先生は面倒だから全部印刷にしているけど(笑)。
 「中身は何かに伴い出来上がるものではなく、外にあるものから吸収して作り上げられるものであるはずだ」は、いい表現。しかし、主題とそのまま同じなので、もうひとこと別のところで書いておくといいかも。
 今回も力作。


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