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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化の改変吸収   ビーバー

 よくある評論文の内容として、「日本人の現在の技術力は日本人固有の模倣のうまさから発展した」というのがある。つまり、外国の文化のいいところを取り入れたのだ、ということである。確かに外国の文化と頻繁に接触してきた文明開化以来、ずいぶんその当時からはずいぶん欧米諸国に近くなった気がするし、逆に追い越した気がしなくもない。そういう面で日本人の努力はすごいということを見せ付けられるのだが、日本人のすごいところはそこだけではないと思う。言ってしまえば、日本人は異文化の消化をすぐに消化でき、自分たちの文化に合わせて取り入れることが得意だったのではないかということである。これからも日本は自国の文化を生かして技術を発展させてゆくという方式をとるべきだと思う。
 まずその第一の方法は、文化の外面的な要素だけでなく内面的な条件も重視してから自分の中に取り入れる、というものである。私の場合中学の時には野球部に所属していて、どうしてもボールを打つ必要性があった。でも一つ、型にはめると少しやりにくいという部分が出てきてしまっていたので、少し方法を変えた。スイングが遅いからもう少しバットをどうするとか、かなり考えてみて、試行錯誤しながらも何とか独自(?)のやりやすい方法を作り出した。その後も割と役に立ったし、強いて言ってしまえば思考力の柔軟性も多少は鍛えられたと思う。自分でもともとある方法を工夫して自分に特化させてゆく、こういう方法はけっこう日常生活でも役に立つものなので、自分に合わせて方法を変えていくことは重要なことだと思う。(体験)
 その第二の方法は、国として外部の文化や法律を吸収するとき、自国の文化などの背景にうまく溶け込ませていくものである。また文明開化のことになってしまうが、文明開化のときは文化的に見てかなり中途半端だったようだ。外に出かけていくときはスーツを着てステッキを持って、しかし家に帰ると靴を脱ぎ、くつろぐ場は座敷、飲む酒は日本酒…。正直、かなり中途半端だなと思った。今でも習慣として根付いているのは、家の中では靴を脱ぎ、座敷でくつろぐ、という習慣である。これは座敷の多い家で生活するために西洋の文化を改変した例である。実際日本人となれば靴を脱ぐほうが気分がいいと言うだろう。このように、自国の人間に根ざした文化的な感情を尊重しながらの文化の取り込みは不可欠だと思う。
 確かに、外国からの文化を「あっちからもこっちからも」と言ってガンガン取り入れるのも、イメージチェンジという面ではいいかもしれない。文明開化は完全な西洋化を目指していたが、国民の心がついて行かず中途半端なところで終わり、失敗に終わった。つまり「文化の取り入れが難しいのはわかりにくいからではなく、心まで取り込めないからである。」という言葉に表されるように、文化を取り入れるならば国民の感情や固有の文化に対する執着心を見なければならないのだ。そういうことをしないと、名目だけの文化吸収になってしまう。国を変える上では、国民の心が動かないとどうにもならない。

   講評   nane

 第一段落は、よく状況を消化して書いているね。
 野球での工夫の例は、いい話。これは、野球に限らず勉強にも仕事にも共通する。他人がすすめるいいやり方を模倣しても進歩には限界があるから、自分なりの工夫をそこでするかどうかが大事。
 靴を脱ぐ日本文化というのも、いい実例。これから、日本人が日本文化に自信を持ち、だんだんとこれまでの文化を日本流に変えていく気がするね。洋服に靴という生活もそのうちに変わってくるかもしれない。
 自作名言は、「という言葉が……」と書かずに、そのままカッコ書きで書いておけばいいよ。
 今回も力作。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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