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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   先入観の落とし穴   くるりんぱ

  (要約)ものごとを判断したり、それを味わったりするときには、その予備知識や固定観念がかえって邪魔になることがある。実際にものを見たり接したりするときには、これまでの知識をいったん横へ置いておき、そして裸の心で自然にまた無心にそのものと接し、そこからうけた直感を大切にする。そのあとであらためて、横においていた知識をふたたび引きもどして、それと照らし合わせることができればすばらしいことである。たとえ、百万人の人が正反対のことを言ったとしても、自分が感じたことは絶対であるが、安易にそれに寄りかかってしまうと人間は単なる独断と偏見におちいってしまう。自分の感性を信じつつ、なお一般的な知識や、他の人びとの声に耳をかたむける余裕、このきわどいバランスの上に私たちの感受性というものは成り立たねばならない。(是非の主題)だから私はものごとは先入観にとらわれることなく、ありのままをみることが大切だと思う。
 (複数の理由一)第一の理由として、先入観があると物事の真の姿を見ることができないからである。(体験実例)大学時代の恩師に、いつも厳しい顔をしていて絶対に笑わない分析化学の先生がいた。私たちはその先生が本当に怖く、授業はいつも緊張感がみなぎっていた。だから分析化学の実験だけは2〜3時間という長丁場にもかかわらず質問できる雰囲気もなく、ましてや私語などとんでもなかった。終了後は「怖かったね」と友達と言い合うのが常であった。卒業を控えたある時、先生と食事をする機会があった。その席で先生が、「私は学生と仲良くなって怒れなくなること、指導できなくなることがこわいから、必要以上に学生との距離を置いているのです」と話してくださった。私たちも教育実習も終えたばかりで、生徒と仲良くなることと生徒を指導することのバランスの難しさを体験していたので、先生が話してくださったことは思い当たることが多く、非常に共感できる話であった。あんなに怖いと思っていた先生が実は優しいがゆえ、自分を抑えて私たちを指導して下さっていたという事実に驚いてしまった。このように、先入観があると本当のことは見えてこないのである。
 (複数の理由二)第二の理由として、知識に頼らず、自分の目で見たほうが自分の感じたこと、気持ちを大切にできるからだ。(体験実例)つい先日、ダ・ヴィンチの受胎告知を国立美術館に見に行った。行くにあたってあらかじめインターネットで鑑賞ポイントを予習してから出かけた。意気込んで出かけたものの、絵は意外に小さかったなあということと、あとは鑑賞ポイントに書いてあることをきちんと一つ一つ確かめられたという満足感しか残っていない。絵からどういうことを感じたか、という肝心の鑑賞を全くしてこなかった。これではただの確認作業である。一方、私には忘れられない絵がある。それはヨーロッパのオランジュリー美術館で見たモネの睡蓮である。私は観光ブックのお決まりコースをたどって行くうちに、偶然その美術館に立ち寄った。部屋に入ると部屋中が睡蓮で埋め尽くされており、何ともいえない優しい色合いが目に飛び込んできた。その作品がどのような経緯でできたとか、どこが鑑賞ポイントとか、そんなことは知らない。しかし、その絵は20年経ったいまもはっきりと私の中に刻み込まれている。自分の目で見たこと、感じたことはいつまでも自分の中に残るのである。
 (反対意見への理解)確かに、知識があったほうが効率よく物事を見ることができるだろう。(名言の引用)しかし、『行動するためには多くのことに無知でなければならない』という名言があるように先入観や知識にとらわれることなく、自分の見方でものごとを見ていくことが大切である。(是非の主題)だから私はものごとを素直な気持ちでありのままみることが大切だと思うのである。これからは私自身も先入観なしでものごとをじっくり見、そして自分の意見をしっかりと持ち続けたい。

   講評   hota

 引き続き、今週もよいですね。要約も、少し長めですがOKです。

 そして、今回は、理由2の方の、『モネの睡蓮』の「体験実例」がよかったですね。1枚の絵との、感動的な出会いが描かれていました。まさに、今回の長文のテーマにぴったりです。私も、ある本でミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』を見た時の感動は忘れられません。しかし、後にイタリアへ行き、本当にシスティーナ礼拝堂を訪れた時……天井画は修復中で、白い幕の中でした(笑)。少しは、予備知識も必要なようです。

 くるりんぱさんはよく書けるので、できれば片方は「社会実例」となるように頑張ってみてください。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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