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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   感性   Mura-Mi

 WEBの進化から、「ロングテール」という言葉が生まれた。ネット上でのショップでは、在庫商品の置き場に困ることはないから、通常の店舗では需要が少なく店頭に置けない商品も、ネットで手に入るという仕組みである。こういった商売の新しいスタイルが注目されると、「需要の多い商品を数多く店頭に取りそろえばよい」という考え方だけが通用するわけではなくなる。そこで重要なのは、十人十色の感性を持った消費者のニーズに応えられるべく、様々な創作者の様々な感性から生まれた作品や商品が、たとえそれが大衆の感覚に受け入れられなくても、切り捨てられないことである。工業の発展によって作られた土台の上に、人間の生み出す感性の創造物が、注目されるべきである。
 そのために、個々の感性が発揮できるようになるべきである。教育ひとつをとっても、個々の感性を発揮できる教育がなされるべきである。昨年の学校の音楽の授業は、大半が鑑賞と楽典であった。しかしそんななか一度だけ、演奏課題の授業を持てた。およそ2ヶ月に渡り試行錯誤をする時間を与えられ、僕は2人組で森山直太朗の『愛し君へ』に取り組んだが、それは私自身が部活動で取り組む合唱における感覚や感性の形成に大きく影響を与えたと記憶している。「そうだ、これが僕のやりたいことだったんだ」という言葉が真っ先に頭に浮かんだ。今思うと、あれが、「感性を研ぎ澄ませる」ということだったのだと思う。そんな機会もそれ一度きりであったのが非常に残念だった。音楽に限らず、国語の時間で多くの文章を書いたりすることによって感性を磨く教育がよい方法ではないだろうか。そのためには、1学級40人という現在の学校のシステムは再考されるべきではあるが。
 また、大衆に注目されない商品が切り捨てられたり、埋もれて見えづらくなるべきではない。確かに、字を上手く消すことのできない消しゴムは、必要のないものとして廃棄されるべきものである。しかし先に述べたように、様々な感性を持つ人間が創り出す作品や商品に、「劣等」という価値観はないはずである。それらはすべて、その特色を見出されるべきであり、それぞれの特長を取り上げられるべきである。それを実現させるためには、メディアが作品や商品を紹介するときに、大衆の注目するトレンドを基準にそれを選ぶのではなく、独自の観点から様々な種類のものが紹介されるべきである。そこで活躍するのが、インターネットではないだろうか。
 確かに、それまでには工業の、「量」を意識した産業があったからこそ、今の社会がある。しかしこれからは、それを土台にして、一人ひとりの感性を重視した価値観がもたれるべきなのである。

   講評   nane

 ロングテールなんて、よく知っているね。インターネットのこの潮流を、多品種少量生産の感性的消費に結びつけたところはさすが。この冒頭部分の話だけでも、合格圏内にはいる小論文になる。(笑)
 音楽の演奏の授業の実例もぴったり。Mura君は、そういう自分が創造的に何らかの行動をするというのが向いているんだろうね。今の社会では、授業を消化するためのスケジュールに追われて、作る喜びというところまではなかなか指導できないでいる。しかし、たぶん、将来は、教育の目的そのものから、問い直されていくだろうね。
 「消せない消しゴム」の例はわかりやすい。感性消費とインターネットの活用も、いい意見。
 これも清書候補。
 結びに、もうひとこと名言を。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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