対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

昨日2126 今日760 合計7758
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   カメか兎か? 急がば回れ   紫式部

昔々、兎とカメが競争をしたそうな。普通は兎が勝つだろう。でもわたし達はカメが勝ったことを知っている。なぜか? 話を知っているから。それもあるだろう。しかし何よりも「急いでも良いことはない」という教訓を知っているからだ。昔話や童話の中には教訓が隠れている。人を羨ましがっても良いことはないよ、「舌切り雀」。良いことをすると回りまわって自分に帰ってくるよ、「笠こじぞう」。と、まぁこんな感じだ。それにしても、この話の教訓は生かされず、現代には兎タイプが圧倒的に多い。何をそんなに急ぐんですか兎さん? ちょっとレポートの提出に隣町まで。へぇ、そうかい。兎さんは隣町までの途上で疲れて寝てしまって、後からきたカメさんにレポートを先に提出されてしまいました。わたしはゆっくりでも確実にこなしていくようなカメさんになりたいと強く思いましたとさ。
 そのための第一の方法は自分の目標を見極め、それに向かってコツコツと歩みを進めていくことだ。目先のことばかりでは先が見えず目の前のことばかりに必死になってあわててしまう。自分が進んでいくであろう道をしっかりと見極めて進むことが大事である。学校などでレポートや新聞の提出があるときにまず何を考えるだろうか? 私は全体の見通しを立てる。この様に考える道筋を立て自分の目に見えるような見取り図を描くことで着実に考えを進めることができる。
 第二の方法として学校などの教育機関で子供の成長をゆっくり見守ること(無理だろうな)である。今の学校は兎タイプのような先走った予習軍団を評価するような評定の付け方をしている。なんでも早く身に付けば良いというものではない。同じ問題でも解くのが早い人もいれば、遅い人(私だよ)もいる。学校にはこの遅い人を見守り評価するような態勢を取ってほしい(無理だろうな)のだ。長い時間をかけて子供が成長していく過程を見守っていく。日本の教育がこのようなものになればいいと思う。また小学生や中学生の中には公文式などをやって小学生なのに高校生や大学の勉強をしている人は珍しくない。しかし、このように先取り勉強をしていざ高校生になったところで結局たどり着くところは同じなのである。それだったらゆっくりとコツコツと着実に積み重ねてもいいのでは。
 確かに先取りや早歩きをする生き方も大切ではある。実際のところ現代には兎タイプのような人が求められていることは確かだ。カメのような生き方は理想論に近いかもしれない。しかし「毎朝、歯を磨くのに、一週間分まとめて一挙にという人はいない」という名言があるように、私は先を急がず、自分のペースで進んで着実に目標に近づいていくような生き方がしたい。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。テーマとなった「うさぎとカメ」の寓話を紫さんらしい加工のしかたで、話題づくりしていけました。さすがです。うさぎは、かっこいいスターキャラですが、あえて地味なカメのような歩みがほしものですね。
 そのための方法は、遠い目標をみちんと見ていることですね。そして、そのために楔を打ち込むのが目先の目標ということになるね。見通しと計画、段取りの良さこそが、着実な歩みを保障します。
 環境の面では、無理だろうなと注釈入りで「子供の成長をゆっくり見守ること」をあげました。確かにそうだね。だって、親がすでにゆっくり見守っていないからね。先手必勝の親心で、子どもにスタートダッシュを要求するのが今の親でしょう。競争社会の弊害ですね。
 ゆっくりでも確かな力を身に付けて、それを自分らしく発揮できる社会が望ましいね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)