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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   複雑さがもつ魅力   れもん

 必ずしも努力が報われるわけではない。上を目指せば目指すほど、その道は細くなる。世の中は、化学の定理や数学の公式のように、過程と結果が容易に結び付くほど単純ではない。実際の社会では、ドラマやアニメでは描かれない、挫折や苦悩の裏側の世界が存在する。ドラマやアニメはいわば、その場しのぎである。根本的解決に導いてしまえば、先が続かない。アンパンマンは、バイキンマンによって成立した英雄であり、愛と勇気だけが友達の(笑)絶対的正義である。しかし現実に「世の中に絶対的正義が存在するか」というと、それはノーである。パターン化された思考は、社会を生き抜く上で、一種の危険性をはらでいる。私たちはもっと、幼少期から物事の複雑さを学ぶ体験をするべきである。(書き出しの工夫)(当為の主題)(ユーモア)
 その第一の方法としては、教育現場に大人から隔離された空間をつくることだ。私の通っていた小学校は、割と過保護な学校だったが、そんな中でも、最も多くの問題が起きたのが登下校の時間だった。無論、登下校には親や教師は同行しない。友達のみの環境の中で、人間関係の複雑さや一筋縄では解決しない問題を学ぶことができた。しかし最近の学校は、そのような機会が減少している。親の必要以上の子供への執着によって、子供社会が成立しなくなっているのだ。子供の周辺にある問題を、周囲の大人が大人だけで処理してしまうため、子供が学ぶ機会を失っている。子供が生きる知恵を学ぶ空間を、大切にすべきではないだろうか。(複数の方法Ⅰ)(体験)
 第二の方法としては、想像力をもつことだ。最近、書籍や雑誌でもハウツーものの評判が良いという。「キャラ」や「スタイル」など、型にはまった人間関係を好むことも特徴だ。コミュニケーションをとる上で、相手を分類し、何者であるかを整理することによって、一種の安堵感を得られる場合もあるだろう。しかし、それは単なるエゴであり、想像力の妨げになってはいないだろうか。社会が、個人主義的な風潮に傾きつつある現代において、想像力は優しさへと繋がる。事実のみを把握し認識するのではなく、そこから展開し広げていくことに、ロボットには真似できない人間らしさがあるのではないか。(複数の方法Ⅱ)
 確かに、手本やマニュアルがあれば、大胆な解決が図れ、円滑に物事がすすみ苦労も少なく済むかもしれない。しかし、私たちは様々な問題の持つ複雑な側面をみつめて、自分なりの思考を巡らす姿勢を持つべきである。経済のグローバル化という建前によって、独自の文化を失わざる得なくなる人々のことや、経済中心の社会がもたらす時間に束縛された生活のこと。物事が多面的であればある程、人々への影響力は強い。しかし正方形の立体より、六角形の立体のほうが光が反射しやすいように、その分、可能性は広がるのだ。マニュアルや肩書きは、絶対的な教科書ではなく副教材の参考資料である。私たちは手本を鵜呑みにする必要はない。変化に応じて進化させる応用力が重要なのだ。報われなかった努力も、次の目標に向けて活用することで、価値がうまれるのだと思う。個々の自分らしさを模索し続ける現代だからこそ、物事の多面性に目を向けるべきだと、私は思う。(反対意見への理解)(名言)(当為の主題)

   講評   nane

 いい書き出し。第一段落から、かなり密度が濃かった。しかも、「愛と勇気だけが友達の」あたりの加工はうまい。
 第一の方法も、表現の密度が濃い。この密度を維持しつつ、具体的な話も一言入れるといいかも。
 第二の方法もいいね。「相手を分類し、何者であるかを整理することによって、一種の安堵感を得られる場合もあるだろう」がうまい。「安堵感」という言葉も的確。「それは単なるエゴであり」は、ややパターン化された言葉か。「想像力の妨げになってはいないだろうか」はいい表現。(いろいろ細かいけど(笑))
 結びの段落も、かなりぎっしり書いた。この雰囲気で書いていくと、どれも力作になる。
 あとは、読書によって、独自の読書実例をふんだんに入れられるようになると更にハイレベルになると思う。
 がんばってね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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