対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
言葉の作法 くるりんぱ
(要約)いわゆる「ら抜き言葉」に関心が集まっている。「ら抜き言葉」をめぐる落差と断絶自体が、国語問題の現状を反映していると見ることができる。根本には、言語観の違いも横たわっている。教育、マスコミその他それぞれの現場で、自分たちの言葉を考えていかなければならない。時代の変わり目で、私たちの言葉をどうしていくか、各自が考えていく必要がある。
(複数の意見一)新しい言葉が出てくるのは当然だと思う。時代の流れとともに人を取り巻く環境や感じ方も変化してき、価値観も変わっていくからである。(体験実例)つい先日、花火大会があったとき、後ろの女子高校生がオープニングで花火が集中的にあがったのを見て、「やばーい。まじ、やばくない?」と叫んでいた。やばいという言葉は、今でも公の場では使われることのない俗語であろう。しかも、もともとは危険な状態を表す言葉だったはずである。にもかかわらず、女子高校生がすごいね〜花火がきれいだね〜、とはしゃいでいるのだということは若者でなくとも私にもよくわかった。言葉は生きている。言葉を使っている大多数がこの言葉はこういう意味で使おうと決めてしまえば、意味さえも変わってしまうのは仕方のないことである。もともと言葉は人が作ったものだから、その意味を変えたとしても問題はない。というより、誰もその流れを止めることはできないのかもしれない。
(複数の意見二)しかし一方で、古い言葉もやはり大切である。(社会実例)新聞の中に、現代の問題は言葉の軽視にある、言葉は精神の食べ物で人を生かしも殺しもする、という興味深い記事があった。何かを伝えたいとき、誰でもただしゃべれば通じると思っているのは、大きな誤解である。言うための方法をもっていなければ表現できない。携帯電話ならおしゃべり言葉でも通じるだろうが、複雑な内容を言おうとすれば、それなりの語彙と文体を自らのものとしなければならない、というのである。すなわち、昔から使われてきた古い言葉、正しい言葉が果たす役割は私たちが考えている以上に大きいということであろう。言葉の選び方次第で、何かを表現するときの作法、振る舞いを決定すらしてしまうからである。言葉を軽視してはならない。言葉は綿々と受け継がれてきた歴史をもっていることを肝に銘じて、私たちは言葉を正しく使っていかなければならない。
確かに、新しい言葉も古い言葉も大切である。しかし、(名言の引用)「辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である」とあるように、(総合化の主題)大事なことは新しいとか古いとかではなく、自分の言葉に責任をもつことである。口から出た途端、一人歩きしてしまう言葉。それにどこまで責任をもてるかによって、人としての価値も決められてしまうような気がする。言葉を大切に丁寧に使っていくことが、人がお互いを理解しあう一歩を踏み出すことになるのではないだろうか。
講評 hota
要約の、言葉の変化の要因については、「世代間の断絶、もともとの地域による違い、官民の意識の落差などがあるが、根本には、言語観の違いも横たわっている。」と、いくつかの要因を挙げておいたほうがいいかもしれません。
あとの感想部分は、良かったと思います。「まじ、やばくない?」の用法については、新聞でも読んだことがあります。ある日、虹がとてもきれいに出ていた。それを見た高校生が、同じように叫んだというのです。この実例は、くるりんぱさんの書いてくださったように、「変化は止められない」ということの実例にも使えますし、逆に、「言葉を大切にしなければならない」という意見の実例にも使えますね。新聞の論調は後者で、「ある種の感動や驚きや、そして本来の意味の窮地に陥った時など、すべてに『やばい』を使うことで、表現力、語彙力が落ちてしまう」というような内容でした。私も作文講師として、こちらの意見に賛同したいです。メールを含め、話し言葉のみを使っていると、思考力も落ちてきます。複雑な思考は、やはり書き言葉でないとできないと思うからです。これは、くるりんぱさんのあとの方の実例にも、そういった内容のことが書かれていましたね。
どうも年長者の常として、「今の若い者は」と言いたくなってしまいます。日頃、若者とたくさん接しているくるりんぱさんはいかがですか。(笑)
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |