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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   比較による自己確認   れもん

 相手との比較による自己の独自性の認識は、一種の危険性をはらんでいる。私は幼い頃、お年玉を貰う度に、金額を気にしていた。実際、小銭やお札は玩具にもなり得なかったのだが、三歳年上の兄との金額の差が、耐え難く悔しかったのだ。当時の私にとって、比較の対象は兄であり、兄との比較によって自らの立場や正体を認識していた部分が多くあった。そのため、毎日のように喧嘩が絶えなかったことは言うまでも無い。人種差別や民族問題などでも似たようなケースが多い。優劣の判断が付かない他者との僅かな相違点においても、明確な判決を求めるため、中間的な大事な要素が欠け、争いに発展してしまう。私は、他者との比較なしで自己を認識できる個人を形成するべきだと思う。(当為の主題)(書き出しの工夫)
 そのためには第一に、自分に自身が持てる得意なことを習得することだ。例えば、学校の定期テストなどでも、自分が自信の無い教科のテストほど、他人の出来が気になるものだ。私は中一の頃、数学を勉強すると体調を崩すほど、数学嫌いで、試験前にもほとんど問題を解かないで試験に臨んだことがあった。そのときは、試験後の友達の話の輪にも入れないほど意味がわからず、かえって開き直ることができた(笑。自らの得意不得意を予め覚悟することによって、無駄な他者との競争を回避することができる。(複数の理由Ⅰ)(体験)(ユーモア)
 第二に、敵を想定しなくても済むように国の内側を安定させることだ。先日行われた参議院選挙では、民主党が歴史的な勝利を挙げたが、民主党の勝因は、自民党の不祥事による信頼の喪失であった。早速、初当選した議員のスキャンダルが報道されているが、ある者への指示が、もう一方の非難である限り、政権安定はやって来ない。自己の完成度を高めることが、最優先なのだ。(複数の理由Ⅱ)
 確かに、学校など集団生活をする上で、自分の独自性を認識する機会も多くある。しかし、人生を通して比較できる相手は自分しかいないのだ。自己の確立とは、他者によって創造されるものではなく、自らの手で創りあげていくものである。自分がどんな人間になるかは、全て、自分自身に委ねられているのである。(反対意見)(自作名言)(当為の主題)

   講評   nane

 第一段落の状況実例は、密度が濃いね。やや漢字が多すぎるか。「優劣の判断が付かない他者との僅かな相違点においても、明確な判決を求めるため、中間的な大事な要素が欠け……」などは、もうちょっとやわらかめに書いてもいいかなあ。
 第二段落の「開き直ると差が気にならない」は、面白い実例(笑)。それは確かにいい方法だね。
 第三段落の自民党・民社党の話もいい例。独自性がないと、相手のアラ探しをすることが自分の存在理由になってしまうのだろうね。
 結びの自作名言もよくできた。この調子。
 しかし、中1で苦手だった数学が高校生になってから得意になるとはすごい。この勉強法を、ほかの教科にも応用していくといいよ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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