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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化を守り伝える   紫式部

このところ日本では園芸がとても盛んであるが、花木や草花の名前が外来語に置き換えられ日本の昔からある美しい花の名前が急速に失われつつある。彼岸花や胡蝶蘭など日本文化と深く結びついた古くからの名前が、意味のつかめない横文字に変えられていくというのは耐え難いものがある。新奇さを求めることを一概に悪いとは言えないが、この例に見られるような行き過ぎた外来語の進出はよくない。私は、日本の文化や言葉を大切にするような生き方をしていきたい。
 その方法の第一は、自分の国の伝統的なものに触れてみる事が大事だと思う。実際にその伝統に触れて初めて大切さがわかる。京都に住んでいても地元の美しい文化遺産に行ったことがない人が多いように、意外とそういうものに触れたことがない人は多いのではないかと思う。私は最近家族と落語を聴きに行った。落語は日本の伝統的な話芸である。現代の話題も織り込みながらうまく話しを展開していてすごいと思った。道具、音曲を極力使わず、身振りと語りのみで繰り広げられる独自の世界に引き込まれてしまった。日本の伝統の奥深さとすばらしさにただただ圧倒。大衆文楽として落語が市民の日常の中に溶け込んでいた時代とはもう違う。だけどもっと日本の伝統的な文化、芸能をみんながもっと身近に感じて、後世に残していくべきだと思う。ちなみに落語は癖になりそうだ・・・。
 第二の方法は教育の現場に自国の文化を理解することを目的とした授業を取り入れることだ。外の広い世界に目を向けるのもいいが、自国の文化や歴史を知らずして他国の文化を学ぶというのはいかがなものか。と、言っても「自国の文化を理解する」とはどういうことなのか? 私は学校の古典の授業や社会の歴史の時間を楽しく受けることが出来れば、それはそれで文化の理解につながると思う。古典や歴史は苦手な人が多い教科ではあるが楽しさに気がつき、追求すればするほど美味しいい蜜が出てくる教科でもある。授業で有名な和歌やその作者を学んだりする時間がある。いきなりこの和歌を覚えてください。とか言われてもめんどくさいし。頭に入らないし、ますます嫌いになるのも無理はない。私がそうならなかったのは小学校で百人一首をやっていたからである。句の意味とかそんな難しいことはあまり考えなかったけど、すごく親近感がもてたし今になって歌の背景を知ることができたのもうれしかった。小学校のうちから自然な形で親しむ環境を作ることは大切だ。
 たしかに外国の進んだものを取り入れるのは大事だし、それによって日本は発展している。しかし、「大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である」という名言のように、私は、日本人が昔から残してきた文化を知り、親しんでいきたい。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。ベストセラーにもなった「国家の品格」では、数学者である筆者が母国語教育の大切さ、日本語で考える力をつけることの重要さを力説されていたと思います。学力を上げることイコール英語の学習と考えて突っ走ってきた結果、日本の子供たちの理数離れや学力低下を招き、いじめのような心の問題も引き起こしたと指摘していました。日本のよさを、私たちはどれくらい理解して論じることができるだろうか。
 紫さんは、古典を愛する心があるからでしょうね、日本を知る気持ちが開いています。落語を聴きにいったのね。ほんものにふれて、ますます惹かれたようですね。ひとつの芸能ですから、極めようとする噺家さんの姿には重みがあったでしょう。私は、歌舞伎が好きで、手軽に観ることができる「幕見席」で一日没頭する日がありましたが、そこにひとりの噺家さんの姿もありました。おそらく江戸の文化や言葉、語り口調やしぐさなどを勉強にこられていたのでしょう。真摯な姿に感動しました。
 学校教育で、やたらと日本を強調すると、ともすると愛国主義の押し付けだといった批判を浴びてしまったりします。しかし、祖国を知ることは広汎な学問の第一歩となるはずです。大学で、英文学の先生とお話しする機会があったときに、(私は国文学選考でした)その先生が源氏物語をはじめ日本文学に造詣が深くいらっしゃることに驚き、自分のはげみにしたことを思い出します。
 文化を引き継いだり、取り入れたり、さらに繁栄させようとするとき、その土台となるものが貧相では何も育ちません。私たちは日本を知り理解して、ひろい豊かな土台をつくっていきたいものです。


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