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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   神話の必要性   ビーバー

 最近は、幼児から英才教育を始める家庭が多い。幼児の方が能力が断然高いとか色々と宣伝している。私の弟も幼稚園の最終年度からそういう教育をされていた。もちろん両親はそれまで英才教育をしようと思わなかったため、私は受けていない。ただ、私と弟との間では大きな差がある。それは「物語文の得手不得手」である。私は国語は全般的に得意で、国語の成績に窮したことはない。しかし、中学受験を今年度末に控えた弟の場合、物語文はかなり苦手、最近のテストがひどい結果で落ち込んでいた。これはおそらく、理屈で物を教育されたかどうかだと思う。弟を見ていると、国語の文章を理屈で説明しようとしている。これは、物語的に考えることができていないのだろう。私たちは物語による説明を切り捨てず、それも重視していくべきだと思う。
 そうするための第一の方法は、神話だからと言って軽くあしらわないことである。昔の人間が考え出した神話を読んでみると、なかなか面白い場合もある。ギリシア神話を例にとっても、中に出てくる人物たちはあまり理にかなっていないが、その人物の名誉を称えて星座にしたり、かわいそうだから天に上げてやったとか、そういう発想がなかなか興味深いと思う。日本の神話である古事記にもいくつか面白い発想が出ていたりする。とにかく、神話だからと言って馬鹿にすべきではない。発想の転換の材料にもなり得ると私は思う。科学的根拠はなくとも、人間を一つ豊かにしていく素材だと思うので、私は神話は要らないものではないと思う。
 その第二の方法は、幼い頃から理屈を教え込むような教育は避けることである。教えられた側は、大きくなっても面白みが無い人間になってしまうだろう。ところで、日本の修行などを見ていると、あまり理にかなっているとは思えないものがよくある。滝の下にずっといるなどはよく見るが、あれは精神面以外何を鍛えているのかが分からない。空手などでもどうやって練習しているかは知らないが、江戸時代頃は理屈抜きで「氣力」などと言って訓練していたのではないか。欧米化していない日本には理屈なんて目にする機会がないので、もしかしたらほとんど神話で説明をつけていたのかもしれない。でも神話の方が理屈より頑張れる気が私はする。神話の登場人物との心の交流があるからだろうか、妙に頑張れる気になれそうである。(歴史)
 確かに、科学的根拠のある真実を心得ることも大切である。しかし、新しいブドウ酒は新しい皮袋に、なんて言っていては物語はできない。新しいブドウ酒は袋の新旧に関わらず皮袋に。(ことわざ)科学的根拠はあれど、小さい頃は神話性を表面に出して、理屈っぽさを打ち消すべきだ。そうすれば固くならず取っ付きやすいし、子供に教えても理屈っぽい人間にはならないだろう。むしろ、理屈で物を考えるのが普通になった今では、そっちの方が面白いのではないかと思うくらいなのである。だから私は、今まで軽く見られすぎていた物語性のある説明というものは大切にすべきではないかと思う。

   講評   nane

 書き出しの体験実例に説得力がある。物語文の得意不得意は、やはり物語文を読んだ量に比例する。そして、ある程度の年齢になると、その読んだ量に比例して好き嫌いが出てくる。だから、物語文を最初に好きになることが大事なのだろうね。しかし、これは得手不得手の問題で、自分が既に持っているものを生かすと考えていけばいいとも思う。みんな、それで人生をやりくりしているようだから(笑)。
 神話の価値というのは、そういう物語を楽しんだ人は実感を込めて感じることができる。作り話かもしれないけど、それによって確かに心が豊かになっているからね。
 現代はマニュアルで教えるという方法が主流になりつつあるけど、物事の中には自ずから悟るという形でしか理解できないものもありそう。
 「新しい酒は……」のことわざはちょっと加工が難しかった。むしろ、古い酒のよさを生かすためには古い皮袋に、というところか。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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