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　　　「ドラえもん」からのメッセージ　　　みやひ

　マンガ「ドラえもん」には見逃してはなら
ない視点がある。それは、ドラえもんの「四
次元ポケット」から出てくる奇想天外な科学
の小道具は、困難を解決してくれるどころか
思惑に反して勝手に暴れだし、思いがけない
新たな問題を引き起こしてしまうのが常であ
る。つまり、現代っ子の代表「のび太」は様
々な問題が発端となると、彼は問題解決の本
質を見極めようとはせずに実に安易に「ドラ
えもん」のポケットに助けを求める。それに
応えてドラえもんの出してくるおせっかいな
道具は、それはまるで魔法のように問題を一
気に解決するように思えるが、すぐさま勝手
に暴れだし、また新たな問題に右往左往する
結末を繰り返すのだ。私は、科学文明に頼り
すぎるのは良くないと思う。
　第一に理由として、もしものことを考えると、
科学文明に頼りすぎては生きてはいけないか
らだ。以前、日本で石油ショックが起こった。
もし、現在石油ではなく電気が足りなくなっ
たらどうなるのか。昔は手で洋服を洗ってい
たが今は洗濯機に進化している。昔は皿も手
で洗っていたが、今は食器洗い機があるとそ
ちらを優先してしまう。電気が足りなくてこ
れらの科学文明のものが使用不可能となったら
人間達は不便さを感じることだろう。私が四
年生の時、とても携帯にあこがれていた。私
は夜遅くまで塾にも通っていたし、バスで習い
事から帰ってくる時も外は暗かった。なの
に何故、母は私が携帯を持つのに賛成しない
のかとても不思議に思っていた。でもある時
母に理由を尋ねたところ、母は、
「もし、家に携帯を忘れたまま遊びに行き、
その行き先で迷子になったら、きちんと人に
電話を貸してくださいと、助けを求められる
ようにならないと駄目なのよ。」
と、言われた。この時は、迷子になるもんか、
と思っていたけれど、今思えば大事なことな
んだ、と感心した。
　第二の理由として、科学を過信すると、そ
れと同じくらいの値の罰が来るかもしれない
からだ。科学製品を操るということは、当然、
二酸化炭素やフロンガスなどの、地球に今最
も悪いガスを排出する。このようなガスは地
球温暖化を悪化させる一つの理由だ。また、
現代の私達の生活にクーラーは欠かせない物
となっている。要するに、現代の人たちはクー
ラーという便利なものがあるせいで暑さに耐
えられない体になってしまっているのだ。暑
いからクーラーを強くする、といってクーラ
ーをつけている分だけ、温かいガス、又は二
酸化炭素の排出を繰り返すのだ。この問題も
科学製品を使いすぎるのが理由で繰り返し起
こっているのである。「寒さに抵抗するいち
ばん良い方法は、寒さに満足することである。」
という名言のように、温かい気候に満足す
ることで、少しは二酸化炭素の排出量も減る
のではないかと思う。
　確かに、科学の発達は人々の生活を豊かに
させた。足に障害を持つ人も電動イスのよう
なもので自由に動けるようになった。しかし、
科学にたよりすぎたりするのは、自分では何
も出来ないような人間にしてしまうので良く
ないと思った。

　　　講評　　　ogi

〈要約〉しっかりとした要約です。内容がわかりやすくコンパクトにまとまっていますね。今後もこの調子で！
〈理由〉良い例が挙げられました。「頼りすぎると何もできなくなってしまう」というのは化学に限らず、「他人に頼る」ということにも通じるかもしれません。自分で何でもできる心を育てるための携帯の例が含まれているのは、広い意味での「頼る」に通じて、とても良かったですよ。
〈まとめ〉反対意見への理解はきちんと入っていますね。その後の電気イス（車イス？）の例は、逆に科学の利点を言ってしまっているようです。（車イスがあるからこそ足が不自由でも動けるようになった、というように）パソコンや電子辞書など、自分に身近なものも考えてみましょう。

　字数もきちんとクリアして、とても良くできています。データを入れた場合は（データ）と入れておきましょう。