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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   効力感   れもん

 中国経済は、数年後には日本経済を追い抜くことが確実になるまで発展を遂げた。そんな中国の経済発展の影に、新華僑と呼ばれる人々の存在があることを、私は昨日のNHKの番組で知った。新華僑というのは、海外に派遣された、中国のエリート集団のことである。彼等は、日本や欧米で、その国のエリート層と一緒に仕事をすることにより、ノウハウを学び、後に自ら企業を立ち上げたり、産業を起こし、結果的に中国に恩返しをする形となった。このシステムの中で重要なのは、中国政府が新華僑に対し、派遣先に留まることを容認した点である。中国政府は、それを人材の流出と捉えるより、むしろ人材の育成と捉え、無理矢理国の未来を背負うエリートを呼び戻したりはしなかった。私は、彼等の躍進の影には、並外れた効力感が潜んでいるのではないかと思う。管理部から抑制されないことによって、彼等の効力感は肥大化し、中国経済の著しい発展につながったのではないだろうか。このようなことからも、私は子供の頃からやる気や自信を重視する教育をすべきだと思う。(当為の主題)
 そのための第一の方法は、柔軟な判断基準を獲得することだ。今の日本の教育は、子供の未来を否応なしに制限しかねない。私の学校も高校に上がるとより一層、成績重視の風潮が強くなってきた。それは、学校の試験の点数が決して良いとはいえない私にとって、全く面白くない(笑)。個人的につまらないだけでなく、成績重視の判断によって、その人の内にある異なった才能を引き出すこともできない。一つの方向から眺めるのではなく、もっと多面的な評価体制に改めるべきだ。(複数の方法Ⅰ)
 第二の方法はブランド志向を捨てることだ。先日リーグ優勝を決め、選手に対し巨額の契約金を支払うことで知られる読売巨人軍の最大の特徴は、移籍選手に依存している点だ。無論、成績重視で入れ替わりの激しいプロスポーツの世界だが、鳴り物入りで入団した高校野球界のスターが、一向に表舞台で目立った活躍を見せないのは、野球ファンとして勿体無い気がしてならない。無論、本人の努力も言うまでもなく重要だが、若手の効力感を反映できる共同体、システムこそが、現在持て囃されているブランドよりも、将来有望な集団といえるのではないだろうか。(複数の方法Ⅱ)
 確かに、効力感というのは、結局は本人次第である。どんなに周囲が助長したところで、本人の気力が無ければ、前には進まない。しかし、現在の日本の風潮には、必ずしも本人の責任以外の面で効力感を奪う作用が働いている気がしてならない。郷に入っても郷に従うな。画家でも作曲家でも、芸術家と呼ばれる人たちの中で、本人が生存中に相応の評価が下されるのは、一握りの人物である。ゴッホやベートーヴェンのように、社会に容認されないからこそ、自分を信じる強さをもつことが、自らの効力感を落とさない秘訣なのだ。効力感とは、根拠ある信念から創造されるものではなく、がむしゃらな先の見えない意欲からうまれるものなのである。効力感は何事にも変えられない強さをもっている。だからこそ、一人ひとりの効力感を大切にすべきなのだ。(反対意見の理解)(自作名言)(ことわざの加工)(当為の主題)

   講評   nane

 新華僑の話は面白い。お隣の中国の発展の可能性は、日本とは桁が違うからね。中国の自由化政策の中で、次々を大金持ちが生まれている。もともと商売熱心な国民性があるから、自由化によってやる気に火がついたということだろうね。それに比べると、日本はやや寂しい。
 第二段落は、共感できる実例だけど、自分のプラスの話を書いていくと文章の力が強くなる。つまり、自分が自由に生き生きと学校生活を送った場面など。
 第三段落の巨人軍の例は、れもんちゃんならではの実例だね。「ブランド志向を捨てることだ」はちょっと唐突。もうワンクッションあるといいか。
 反対理解は、「嫌なことも我慢して耐える」の方が正反対になるかなあ。
 結びの段落は、力強い。この文章の主題そのものが、自分の意見にぴったり合っているからだろうね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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