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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   夢は持つもの・持たせるもの   ミニまろ

「ねぇ、サンタさんってほんとにいるの?」
誰もが子供の頃一度は両親に聞くこの疑問、あなたがもしも親ならどう答える? まさか「いないよ。あれはお父さんが毎年赤い服を着てあなたの枕元にプレゼントを置いてるのよ。」なんて答えやしないだろうか?! これは科学的説明と言われ、当然ながら親にあるまじき行為であり、物語的説明を求める子供の感性を大幅に失う。これだけで済めばまだよいが、子供はおしゃべりな生き物であるから幼稚園や小学校で話を広め、この事実があっという間に大勢の子の耳に入ることが考えられる。そうすると、一人の大人気ない親の言葉から大勢の子供たちの夢を失わせたことになる。「サンタは本当にいるのか」「太陽は何故沈むのだろうか」これらの疑問は誰しも年を重ねるごとに科学的に理解していくものであり、子供の頃から知っておく必要は無いと思うのだ。むしろ、子供のように物語的に考えることのほうが、「サンタは煙突から入ってきて……」などといった世界に通じる思想があったはずだ。現実主義者なのは結構だが、世界との一体感を回復するために私たちは物語的説明の重要性も見直していくべきだ(当為の主題)。
 そのための第一の方法として、自分の幼少時代抱いていたであろう純粋な感性を失わないことだ(第一の方法)。こんな話を聴いたことはあるだろうか? 私が5歳くらいのときに信じていた話なのだが、抜けた乳歯を自分の枕の下に置いて寝ると、夜中に“歯の妖精”がやってきて次の朝乳歯を一枚のコインに換えてくれるというなかなかロマンチックな話である。実は私、実際にこの話の通りに夜寝る前に自分の抜けた乳歯を置いておいたことがある。するとなんと! 本当に次の朝一枚の百円玉に摩り替えられていたのである! 今思えば両親が夜中にこっそり私の枕下に百円玉を忍ばせてくれたのだろうが、あの時の感動は今でも鮮明に覚えているのだ。この話を思い出す度、私本当にあの頃の純粋な心に戻れる気がするのだ。できればいつまでもこの感性を持ち続けていたいと思う。
 第二の方法として、一段落でも述べたように、幼児期から科学的な理屈の説明をしすぎないことだ(第二の理由)。まず、「サンタさんはいない」と宣告されて喜ぶ3歳児なんているだろうか? 私だったらそのあまりにも残酷な事実をその幼さで知らされていたら、きっとショックを受けてワンワン泣くことだろう。クリスマスの楽しみが一つ減るだけの話であるのだから。すなわち子供は現実を知りたいのではなく、御伽噺のような夢を与えてもらいたいのである。事実なんて、子どもは知らず知らずのうちに習得していくものである。親の口から伝えるべきことではない。子どもにはもっと夢を持たせるべきなのである。 
 確かに、子供たちに紛れも無い事実を伝えることは親の一つの役目でもあるだろう。やはり、20歳になっても「サンタさんは本当にいるんだ!」なんて本気で叫んでいる人は、周りから敬遠の目を集めてしまうに決まっている(反対意見への理解)。しかし子供は学習をする前に、まず夢を持つことが一つの仕事であり、その親は子供に夢を持たせてやることが役目なのである(自作名言)。何故ならば、子供は夢を持って初めて行動に移せるからである。何かしら叶えたい目標を持ち、それに向かい真っ直ぐつき進んでいくことが、本来の子供のあるべき姿なのではないだろうか。そしてそれは世界中に一体感をもたらす、未来への希望となるのである(当為の主題?)。
 

   講評   nara

 物語を「夢」と置き換えて考えたのだね。第一方法のコインの話は、ミニまろさんが書いているとおり、鮮明な印象を心に残しているのだね。「実は、親がこっそりやったことだ」とわかったときに、この感動は価値のないものになっただろうか。そうではないはずだ。つまり、子どもなりに物語に納得していたのであれば、それは後々別の物語を獲得したからといって、無意味ではない。むしろ、幼いなりの物語が土台としてあるからこそ、別の物語を獲得できるとも考えられると思うよ。
 第二方法:確かにね。「その子がそれを知ってどうなる?」ということだね。その事実が頭と心に残るかというと、ただ、押し付けられただけにとどまる。それは、決して定着するものでもなく、むしろ「おもしろくないもの」というマイナスの感情を生むことにもなりかねないね。
 物語を「夢」そして「目標」と置き換えたことで、最後で論が揺れているように思うよ。「目標」となると、長文で述べられている「物語」とは、意味するものが異なってくるのではないかな。物語とは「自分が納得できるストーリー・理由付け」ということだね。「目標」とはしない方がわかりやすくなる。しめくくりは、書き出しに使った「物語的説明の重要性」を再度強調しておこう。世界との一体感というのは、「私はこの出来事をこう解釈(理解・納得)している」という実感ととらえるとよさそうだね。

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