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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   交話機能というのは   かかと

私達の生活に言葉は必要不可欠である。普段はあまり意識していないが、日常会話で、私たちは無意識的に用件を伝えるため以外のコミュニケーションを行っている。挨拶などの目的を持たない会話というのは特に必要なのである。初対面の人と会話をするときも、大体趣味や仕事などの話をしてお互いの共通点を探りながら、次第に仲がよくなっていくものだ。むしろ用件を伝えるためだけに会話をしていたら、いつまでも距離は開いたままだ。人と人の心の距離を短くするためには、用件を伝えるためのコミュニケーションではない方の、心のコミュニケーションというものに重点を置かなくてはいけない。
私はつい最近、予備校に入った。学校とは違い、回りは誰も知らない人ばかりで、緊張していた私はいつもの元気を出せるはずもなく隅の方の席で静かに休み時間を過ごしていた。そんな時に、遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえ、私はとてもほっとした様な感じになったのを今でも覚えている。趣味や学校の話をしているうちに、クラスの人とも馴染め、今では私の話に笑ってくれたり、相談に乗ってくれたりもする。このような経験は、用件だけの会話をするのではなくて、このような他愛もない日常的なはなしをするとこで心と心の距離が近くなっていることを示しているのではないか。
しかし、事務的な会話、強いて言えば生活には直接関与していない会話も大いに必要とされる。有名な昔話の桃太郎では、キジとサルとイヌの活躍によって桃太郎が勝利するという話だが、彼らは一体どのような話をしていたのか考えてみると、どう考えても「今日はいい天気だね」とか「キミの趣味は何だい」といったような会話をしていたとは考えがたい。なぜなら、鬼を倒すためには事前に役割の分担や、作戦を練らなければならないからだ。作戦を練らなければどんなに頑張っても、一つ一つの小さな力は鬼に勝てるはずがない。このように、用件を伝えるための会話も重要な役割も担っている。
こう考えてみるとどちらの交話手段も重要に違いないが、そもそも会話だけで世の中が成り立っているわけではない。会話で指示をしたり、命令をすることはできるが、最終的には行動というものに移さなくては何も始まらないのではないか。桃太郎だって、作戦を練ったあとに戦うという行動を起こしていなければ鬼に勝つという結末にはなっていなかったかもしれない。もしかしたら作戦を練ったものの、それを実行できずに諦めて帰ってしまった可能性もあるかもしれないのだから。口先だけで済ますのではなく、まずは行動に出ることが私たちには求められている。

   講評   nane

 書き出しの実例は、もう少し実例風に書いてもいいかな。
▲必要不可欠という言葉は悪くはないけど、ややありきたりな感も。▲書き出しを1マス空けよう。
 予備校での親しい人の声は、いい実例。だれでもそういう経験があるから共感できるね。
 第三段落の「桃太郎」は、こんな感じ。あてはまりそうな昔話を探すのではなく、既に知っているいくつかの昔話を実例に結びつけるというのがコツ。
 結びの「行動」は、自分の言葉によく消化してまとめたね。ここで、再度桃太郎を引用しているのもいいところ。
 この調子でがんばろう。

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