対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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伝え合う Dr.Km
交話機能は人々の気持ち結びつける作用を示すものである。言葉には、心を通わす交話機能と、伝えるべき本題がある。話のはじめに突然本題に入るのは不自然だが、まったく中身の無い話であっては、困る。交話機能とは、人々が本格的な対話関係に入るためのいわば地均し、心の波長合わせ行うものであり、対話者どうしの一体感や帰属意識を高める潤滑油としての働きなのである。
潤滑油としての言葉の役割は重要だ。最初は軽い言葉からはじめないと、その後の話が重苦しくなってしまう。わたしの経験では、話の本題があるわけではないのだが、朝、友達と電車の中でであって話す内容が無く眠気からため息をつくと、あまりその後の話も弾まなくなってしまう。登山などをするとき、すれ違う人と挨拶をするのは常識であるが、その軽い「こんにちわ」の一言で力が湧いてくる。特に富士山などでご来光を見るために夜中に登ることがあるのだが、夜中は寒く人も少なく怖くなってしまうことがある。そんなときに、人が通り過ぎ「あと九合目まであと少しですよ」「ありがとうございます」などと言葉を交わすと、本当に嬉しくなってくる。このように、軽い言葉を交わして、心を交わすことは大切である。
しかし、潤滑油だけでなく話の中身も大切である。私のクラスでは各班の班長が週に一度集まってクラス会議をすることがあった。その会議は部活のある日にやるので、長引くと部活に出れないことがよくあった。自分も楽しんでいたのだが、その会議は時々座談会と化すことがしばしばあった。学校の授業でも生徒から人気のある先生は、潤滑油的な話もしてくれるが、伝える中身に魂がこもっている。昔話ではないが「木を植えた男」という話がある。これは砂漠の中に家畜を放牧していた男は毎日、どんぐりを植えていた。何も誰にも言わずにもくもくと種を育ててついにその砂漠は美しい森に変わる。(この話は実話です。登場する地名はすべて実在します。話はまだ続きます。続きが読みたい方は絵本を買いましょう。)これは、この男性が、言葉ばかりで環境問題を唱えるのではなく、何もいわずに良いことをやって貫き通した結果だと思う。
このように、言葉には、潤滑油としての働きをするものと内容を伝えるものの二つの重要なものがある。この二つを総合化すると、内容がないと話はとおらない、内容だけの話だと気持ちが通じない、つまり今一番何が伝えたいのか考えることが大事だと思う。相手に何も伝わらないのでは、意味が無いのだから。
講評 miri
長文の主旨をよく理解しています。
実例も、特に登山での挨拶の話は、ぴったりですね。また、「木を植えた男」の引用もとてもじょうずです。毎回、本当に的確なチョイスですね!
出れない→出られない
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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