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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   つまらないもの   かつさ

 人間と言うのは不思議なもので、日常を生きていく中で、重大な出来事よりも、むしろどうでもいいような、ちょっとした出来事を良く覚えているものである。凄く楽しかったこと、悲しかったことよりも、なんでもない普段の会話、経験を記憶にとどめるのだ。しかも、そのささいな記憶の中の自分の感情、言葉などが、案外後の行動や決断に影響を与えるのである。これは記憶というものに限らず、私達を取り巻く全てのもの、例えば氾濫する情報のような、全く別ものについても同じことが言えるような気がしてくる。そして、私達が生きていく中で、そのちょっとした、下手すれば見落とされてしまうような出来事を掻い摘んでいくことが大切なことなのだと私は考える。
 その根拠として第一に、物事についていろいろと考える時には、正面からはそれた、ちょっと人とは違うものの考え方をする、ということが必要になってくるからだ。例えば、日常生活の中で私達は様々な人と接触を持つが、皆初対面だとそれなりの体裁を整えてくる。そうしたときに、ちょっと違う角度からその人を観察すれば、化粧で塗り固められて見えないような本性が、ささいな動作から窺えるようになる。こんな身近な話でなくても、例えば今地球が直面している、地球温暖化という極めて国際的な話でも同じである。人々が皆同じ考え方をするよりも、60億通りの違う角度からこの問題を見つめることによって、意外な解決方法が見出されることだってあるかもしれないのだ。
 第二に、そもそも正面から物事を見るということが、私達を間違った理解へと陥れていることが多く、その上、それだけでさも全体を知り尽くしたような気がしてしまうからだ。先ほど述べたように、人が隅々まで化粧を塗って本性を隠すのと同じように、私達が日常気軽に垣間見ることが出来るものは、大抵それを想定して色づけされているものがほとんどである。それなのに、綺麗にそつなく飾り付けられた上辺を見るだけで、あたかもそれが真であると私達は思い込んでしまう。これでは、玄関のドアを見るだけで「この家は素晴らしい」と判断してしまうのにそう大差は無い。たとえ玄関が素晴らしくても、実は中身が何も無いというものは、この世の中には溢れかえっているにも関わらずである。
 情報化が驚異的なスピードで進む社会において、増えたのは正しい情報だけとは限らない。間違った情報は、むしろ正しいものを上回るペースで増えているように受け取れる。そんな社会に住む私達に必要なのは、雑多なものの中から、正確で、そして本当に欲している情報を抜き取っていく力である。しかし、それらのものは案外簡素で、つまらなそうな外見をしているものが多く、中々手を伸ばしづらい。だから、当り障りなく飾り付けられたものに目移りしてしまうのも分かるが、そのつまらなそうな情報が、私達に思いがけない利益や経験をもたらしてくれることは多々ある。日常の様々な出来事に際し、あえてうがった見方をすることで、普段は見落としてしまうような、それでいて実は大切な情報が手に入ったりするものなのだ。

   講評   nane

 第一段落は、よく考えて書いているが、ここは最初に読むところだから、もっとやわらかく書いてもいい。読み手がスムーズに入っていける実例のようなものが書けるといいよ。
 第二段落も、よく考えているけど、やや説明風なので、ひとこと実例を。
 具体例を書くためには、最初の意見の段階で、ある程度「怒り」を持っている必要がある。つまり、「こんなことでいいのか」という義憤のようなものね。
 しかし、書きにくいテーマだったわりに、1200字以上しっかり書いたのは、さすが。書く力があるね。
 第三段落に、データを入れる練習をしていこう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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