対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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一歩踏み出して おへふ
「あ〜。もういやや〜。しんどい〜〜〜。」
私の学校には毎年マラソン大会というのがある。三年生から、出場しなければならない。学年が上がっていくにつれて、距離が伸びていくのである。当日にすぐ走れ!じゃ無理なので、その一ヶ月前ぐらいから、練習をするのだ。無論、みんな同じ内容なのだが、人の体力はそれぞれだ。だから、一人が遅れて、取り残されてしまうのも無理はないということである。
私はそのマラソンが大嫌いだ。まず、長距離を走るのが好きではない。短距離では、結構速く、リレーの選手にだって選ばれるのに、長距離となったら、すぐにばててビリになるくらい遅いのだ。それに嫌いなことを上手になれと言われても、無理だ。でも、練習の時に、友達と走っていて、その子が結構速く、しんどい〜と言いながらも歩かずにがんばっていたら、なんとビリの時から、2分ほどタイムが上がったのだ。まるで魔法を使って時間を遅くしたかのようだった。だって、前のときよりタイムは良いのに、疲れが少ないのだ。これには驚いて、喜びまくった。最高の思い出とも言えるかもしれない。それくらい、うれしかったにだから。
これは兄の昔の話だが、兄も長距離が大嫌いならしい。だが、私と違うところは、速いのだ。走るのが。つまり、すぐにばてないということ。もっと聞いてみると、兄が意外な事を言った。
「チョコレート食べてた。集中力高めるために。」
これには、
「はっ?」
と言ってしまった。マラソンにチョコ?今では考えられない。おかしくない?確かに、チョコレートは集中力を高めるけど…。そこまで、速くなろうと努力したって事?すごい。そこまでして、走ろうとしているのだ。私はそんな事、やろうと思った事すらない。まず、嫌いだからだ。でも兄も嫌いなのでは?なぜ?どうしてそこまでして、走ろうと思うのだ?私には、兄の考えていることがちっとも分からない。
努力は大切だ。千里の道も一歩から。このことわざの通り、どんなに嫌いだって、どんなに大変な事だって、最初の一歩を踏み出さないと始まらないし、踏み出せば新しい未来が待っているかもしれない。その一歩を踏み出すか、出さないか。それは人によって違う。それを踏み出した人は成功しているし、踏み出していない人は、何もない。それだけの違いだ。たったそれだけだが、とても大切な事なのだ。少しでも頑張ろうと思うと、どんどん上達していく。やがて、その二つには大きな差ができるのだ。
今からでもいい。一歩踏み出してみて。人生がきっと変わる。その一歩で。
講評 sumomo
マラソンといえば苦しい、しんどいというイメージがありますね。ましておへふさんのように短距離が得意な人には、なんでこんなにたくさん走るの?と思えるのではないでしょうか。そんななかでおへふさんが、どんなふうにして、マラソンの練習をしていったのか、またそれど同時にどうやって自分の気持ちも強くしていこうとしたのかがよくわかります。
お兄さんの話がとても印象的ですね。嫌いなことでもきちんと前向きに取り組もうする姿勢が大切なのですね。その結果よりも、自分がどう向き合うのかがポイントだということに、おへふさんがしっかり気づいて、これからの自分にもそうありたいと決心しているようすが、とてもまっすぐに伝わってきました。先生も掃除は苦手だと逃げていないで、しっかりきれいにするようにしなくっちゃ。
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