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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   物事の判断   いすも

わざわざ裁決を必要とするような案件ならば、一人や二人、異論を挟むものがいるほうが自然である。イエスの中にも色々なイエスがある。ノーの中にも同様に色々なノーがある。自分の心中を尋ねてみて百対ゼロの確信でイエスが言える場合もあれば、五十五対四十五で辛くもイエスに傾いている場合もある。その内容はとても複雑だ。
確かに、多数決で物事を決める事は大切である。多数決で物事を決めると、周りの人々が賛成しているから私も賛成しようとか、多数決で決めた事だから反対者がいても別にいいや、と思う事が多い。つまり、多数決で物事を決めると簡単に物事を決める事ができる。しかも、何となく、だいたい、で物事を決めると話し合いも早く終わるし、物事もすぐに決められる事ができる。実際に私にもそういう経験があった。私はカナダに住んでいて、補習校に毎週土曜日に通っているが、ある日学級員を決めなくてはならなくなった。すぐに、二人の男子が手を上げ、立候補した。そこで、どちらの男子が学級員にふさわしいか、私達のクラスは多数決をとることになったのだ。私は実際に正直言うとどうでも誰でもよかった。そして、クラスの皆がいっせいに手を上げたほうに、私も一緒になって手を上げた。反対者も数人いたが、クラスの殆どがその一人の男子の為に手を上げたため、そのこが学級員に決定した。だが、多数決だったために反対者も文句も言わずに黙っていた。すぐに終わった。簡単に終わったのだった。
 しかし、全員一致になるまで話し合うことも大切だと思う。イエスかノーの区別をはっきりさせるのも大切だと思う。私は前にも言ったようにカナダに住んでいるが、こっちの
人はイエスかノーをはっきりと答える。学校とかでも何となく物事に取り組んだり、何となく質問に答えたりすると、先生から怒られるのだ。私にも実際に起こったことがある。カナダに来て間もない時のある日、テストが終わった後に、私は先生からこういう質問をされた。
「あなた、テスト、上手く出来たと思う?」
と。私は突然聞かれた質問に戸惑い、一瞬ためらったが良く出来たよ、といえば自信満々な答えになってしまうし、良くなかった、とは言いたくなかった。だから、私は、
「I THINK SO (多分ね・・・)」
と自信なさそうに答えた。そうすると先生は、とても怒った表情で
「イエスかノーかはっきり言いなさいっ!!」
と、怒られてしまった。それから私はちゃんとイエスかノーの区別をはっきりとしている。実際にちゃんと自分の意見を相手に伝える事は気持ちがいい。日本人みたいに周りの人と同じ意見を持たないで、自分だけの意見をはっきり言えるこの国は、本当に良いと思う。昔話、『ブレーメンの音楽隊』の中でも動物達がそれぞれの意見を言い合い、最終的にいい作戦を考え、泥棒をやっつける事ができた。自分の意見を持つ事は本当に大切だ。
 最後に、多数決で物事を決める意見Aも全員一致になるまで話し合う意見Bもどちらも大切だが、私は意見Bの方が大切だと思う。「自分が考えるとおりに生きなければならない」という名言もあるように人の考えで何となく決めるのではなく、自分で考えて自分の意見を述べる事が大切なのである、と私は強く思う。

   講評   ogi



 ≪意見A≫≪意見B≫でそれぞれ、「日本の学校(補習校)」と「カナダの学校」を対比させて体験実例が書けたのが、とても良かったです。それぞれの学校は、それぞれの文化や考え方の違いを表していますね。
 ≪総合化の主題≫では、『最後に』ではなく、『確かに』ではじめましょう。また「意見A」「意見B」という言葉は不要です。

例:確かに、多数決で物事を決めることも、全員一致になるまで話し合うこともどちらも大切だ。しかし私は、イエスかノーをはっきりさせることの方がより大切であると思う。



【表記に関する注意】
・カナダに住んでいるが、こっちの人は → カナダに住んでいるが、現地の人は
・そうすると先生は → すると先生は
・とても怒った表情で、「〜〜」と、怒られてしまった → とても怒った表情で、「〜〜」と厳しく注意した。
・日本人みたいに → 日本人のように

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