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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   新聞   仁愛

新聞を月一度かニ度でなく毎日立つ縁日のようなものであるとみている節がある。経済記事はおみくじのようなもの、政治・社会面に至っては、小屋掛け芝居のようなもので、読み手たる私はぶらぶら散歩して夜道を冷やかす客のような存在である。文化欄・学芸欄の類は何であるかと問われると、言うまでもなくそれは縁日に立つ見せ物、そのある程度集約されたものとしてのサーカスのようなものであると答える事ができるだろう。縁日であるから、やはりそこには日常生活の時間の流れと異なった、さまざまな偶然の介入があった方がよい。安物だか、新しさだけは強調してある夜店の売り場は子供にとって魅惑の空間そのものである。さしあたって、新聞の中にそうした偶然が潜んでいる空間を探すとすれば、それはやはりあちこちに散らばっている情報である。情報もできるだけ、個人が密かに培養している「私」文化といった、あまり人と分かち持ちたくないものに直接プラスになるもの
の方が、意外性の面ではより高いように思われる。本についても音楽についても、しかるべき欄ではなく、コラムの方から得られる情報の方に生々とした関心をよぶものが多いというのは、情報の活性化の面でちょっと気にとめておく必要のある事実かも知れない。
私は新聞を滅多に読まないが、やはり朝日新聞の「天声人語」など興味をもったコラムが載っていると、興味のある部分のみ、さっと目を通すことがある。特に、新聞の後ろの方に載っている小説は興味本位からよく読んでいる。やはりこれがこの作者の言う縁日での魅惑の空間なのだろう。この「魅惑の空間」がなければ、私は決して新聞を読む事はないだろうから、新聞に目を通すきっかけとしてはとても感謝している。私は特に「魅惑の空間」を最大限に利用して人を引きつけているものはスポーツ新聞であると考えている。スポーツ新聞には正直、何一つとして将来の役に立つ、頭を使って考えせられるような記事はない。しかしながら、どうしても読みたいと思ってしまうことがある。それは、人間の習性として無駄な知識を取り入れたいという概念があるからなのかもしれないが、やはり「魅惑の空間」、つまり娯楽を求めてついスポーツ新聞を手に取ってしまうのだろう。その点で、人を引きつけるという面では大変よくできた新聞だと思う。
普通の新聞にも、人が興味を持ってつい手に取ってしまうような文面が中には必要だ。それをきっかけに新聞を読み始める人も沢山いる。しかし、あくまでも生活欄・学芸欄は社会欄・経済記事を読んでもらうためのきっかけのための記事に思えてならない。だから、文化欄・学芸欄だけ見るのは何も意味のない事に思う。
新聞を読む事は人生において大変意義のある大切な事だ。しかし「魅惑の空間」ばかりに気を取られていて本当に自分のためになる記事を見落としてしまえば本末転倒である。楽しみの欄も読みつつ、大切な記事を見極めて新聞に向き合っていきたい。


   講評   jun

 要約の後、自分自身の体験を入れながら、新聞における、いわゆる行間の面白さについて考えることができました。「天声人語」や連載小説が新聞に目を通すきっかけになっているというのはよくわかります。また、スポーツ新聞に引かれるのは、人間の習性として無駄な知識を取り入れたいという気持ちがあるからというのは鋭い考察です。
 「本当に自分のためになる記事を見落としてしまえば本末転倒」とはそのとおりですね。行間の面白さを味わいつつ、本当に大事な情報もしっかりキャッチするべきでしょう。

▲段落の始まりは一マス空けましょう。

■今学期は、【要約+意見】→【第一の理由】→【第二の理由】→【結び】という構成で書く練習です。次回は、この構成を意識しながら書いてみましょう。
                             

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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