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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   本当の自然保護   ショウ

 私の家の前の道は土の道だった。道ばたには草が生えていた。エノコログサの話題で最初仲間意識を持ったとなりの家のおばあちゃんは、ある日、家の前に咲いていたスミレをおばあちゃんが草むしりのときに抜いてしまった。おばあちゃんは清潔好きで、自宅の前から私の家の前にかけてていねいに草むしりをしてさったのである。数年たって道路は舗装され雑草は姿を消した。道は車向きの道路になってしまった。人間はハイキングなどでは、「自然がたくさんあって気持いい」と言うが、自分の庭に出てきた雑草は引き抜いてしまう。「雑草のようにたくましい」「雑草のように生命力が強い」という表現がほめ言葉としてよく使われるが、「あなたは雑草の花のようですね」といわれて嬉しい人は少ないと思う。九九パーセント相手を怒らせてしまうに違いない。言い方にもよるが、私なら残りの一パーセントの部類に入る。
 僕は、ポーランドに来る前、日本に住んでいた。そのときに住んでいたマンションには、家庭菜園ができる場所があった。僕の家族もそのうちのひとつで様々な植物を育てていた。キュウリ、トマト、時にはナスにも挑戦したことがあった。ほぼ毎日様子を見に行き、大切に育てていたが、あるとき、雑草がいくつか生えてきて、育てている野菜の邪魔になってしまった。そこで、雑草は全て抜いてしまった。今考えると、同じ植物なのになぜ抜いてしまったのだろう、と思うが、それは多分、育てているものの邪魔をしたからだと思う。何もないところに雑草が生えてきたら抜いていなかったと思う。生えてくると、影響が出る植物は全て抜いてしまおうという気持が強かったのだと思う。
 母に話を聞いてみた。僕が前にいた学校で一年に一回校舎のまわりの草むしりをするという企画があり、母もそれに参加したらしい。草むしりといってもあたり一面びっしりと草が生えているので、どれを抜けば良いのかわからなかったそうだ。近くにいる人と相談しながら、慎重に抜いていったらしい。そのときに思ったことがあったそうだ。「雑草と大事にされる植物との区別は何なのか」ということだ。雑草でもきれいな花が咲くものもあるのに、なぜ雑草はいつも邪魔者あつかいされて抜かれてしまうのだろうと、抜かれた雑草の山を見て少しさびしく思ったそうだ。もしかして同じ雑草でも、きれいな高原の風景の中ならば「すばらしい自然」と感激されて、抜かれることもないのかもしれないのに、人間は勝手だなとも思ったそうだ。
 人間にとって自然とは、大切に保護するべきもので、雑草はダメ、と区別しないで、ありのままの自然を保つことが大事なのだということがわかった。「蓼食う虫も好き好き」ということわざがあるように、雑草にもきれいな花を咲かせ、人に好かれるものもあれば、何の役にも立たなくて、栄養ばかりをとってしまう雑草もあるということがわかった。大切に育てている植物ほど、それに邪魔なものは抜いてしまおうという気持が強くなるのだと思う。雑草を抜くのは大変で、いつも生えなければ良いのに、と思っているが、これからは少しは雑草のことも考えようと思った。

   講評   siro

 ショウくん、こんにちは。最後の文の「雑草など生えなければいいのに」というのはショウくんの正直な気持ちですね。でも、今回の課題文を読み、雑草も自然の一部であることに気付いたようですね。なぜ大切にされる植物と、雑草のように邪魔者扱いされるものがあるのだろう、とは確かにそうですよね。お母さんの草むしりの話にもあったように、一見雑草なのかどうか判断つかないものも結構あります。つまり、人間な勝手な思い込みで「雑草」にされてしまっているということですよね。
 自分の体験談と聞いた話を詳しくまとめています。家庭菜園のときに雑草を抜いてしまった、というちょっとした出来事に自分の気持ちやそのときの詳しい状況を加えて説明したところがよいですよ。
 大変よくできました。



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