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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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飼い主よ 自覚を持て ミスターカービィ
世界には、未知なる生物が数多く存在する。深海魚チョウチンアンコウもそのひとつで、水深300から4000メートルに生息し、軟らかいテニスボールに似た不思議な形、柔らかな薄い骨格、ゼリーのような肉、とても薄い皮膚を持つ。そして、最大の特徴は、頭の先に獲物をおびき寄せる発光器「イリシウム」があることだ。
1967年、鎌倉の海岸で発見されたチョウチンアンコウは、江の島水族館で8日間飼育された。そのとき、世界初のイリシウムから発光液を噴出する様子が観察された。この標本は現在、新江ノ島水族館で展示されているそうだ。
8日間という最長の水族館での飼育記録は、四十一年たった今も更新されていない。水温、水質、明るさを自在に調節可能な水族館で長期間、飼育不能なのは、とても不思議だ。
ぼくの家では、半年ほど前までカブトムシの幼虫を飼っていた。それらは、ぼくが去年、採取した今は亡きカブトムシの子供である。ぼくと父は、幼虫をまるで我が子のように大切に育てた。しかし、ある日、父が突然、「この幼虫、山に逃がしたほうがいいんちゃう。」と話しかけてきた。
確かに、一昨年、飼育したカブトムシは、5センチほどにしか成長しなかったため、「今年こそは、大きくしてやる。」と、決心していた。思わずぼくは、父に「嫌や。今年こそは、大きく育てよ。」と返事をしたが、ぼくは、カブトムシを育てるということに飽きてしまったのか、この幼虫たちを育てる気がなくなってしまった。そこで、「もう、山に逃がしたほうがこいつらのためちゃうか。山のほうが大きくなるし、楽になるやろう。」と考えた。「やはり野におけ蓮華草」という言葉があるが、カブトムシの幼虫にとって、本来、棲むべき場所が一番だと思う。それから一週間後、ぼくが学校に行っている間に、父がカブトムシを逃がしてきてくれた。
チョウチンアンコウにしても、元々、深海にいる魚が、浜辺に打ち上げられ、水族館で8日間しか生きれなかったことは、不幸だったはずだ。やはり、チョウチンアンコウは深海でピカピカと平和に暮らしているほうがいい、ということだ。そのほうが、衰弱しなくて済むし、好物の餌がたくさんあって、チョウチンアンコウも幸せだろう。
最近、ニュースで話題の昆虫や動物などの外来種。外来種とは、外国から来た生き物で、日本に元々いる生物を絶滅させてしまうほど危険である。外来種は、外国から船などによってたまたま来たのもあるが、日本人が興味本位で外国から買って、面倒を看きれなくなると草むらなどに捨ててしまったものもある。そして、それらが日本の生物の生態系を壊してしまう。
これは、日本人の飼い主が悪いのだ。生き物を飼育するときは、自分できちんと面倒をみれるか否かをしっかりと考えてからがいいだろう。生き物を飼うには、飼い主となる、という自覚が必要だ。それが生き物に対しての人間としての思いやりだ。そして、その飼い主としての責任が地球環境を守ることにつながる、とぼくは、確信している。
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