対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
外観より内容 ショウ
ヨーロッパにおけるリンゴの栽培は四千年を越える歴史を持っている。しかし、日本には明治時代に苗木を導入したのが始まりで、ようやく百年を越えたばかりだ。ヨーロッパのリンゴは大衆的な果物だが、日本では病気見舞いのぜいたく品として始まり、生食用一本で、ひたすら外観重視の高級化の道を歩んできた。リンゴの袋かけは、当初シンクイムシの被害防止が目的だったが、農薬などで別の駆除方法ができた今でもリンゴの色づけのために用いられているところがある。その代わり、糖度は下がり、味は確実に落ちる。味よりも見た目を優先する日本人の美意識には軌道修正が必要だ。
僕はポーランドに住んでいる。ポーランドのスーパーは、野菜売り場に果物があって、ただ箱の中に山積みされている。果物はみんな袋がついていなくて、味、形もばらばらだ。きれいに丸くなっていて、色もきれいなリンゴは見たことがない。ときどき腐っていたり、虫に食べられていたりするものもある。これは、果物だけでなく、野菜にも当てはまる。時には、きゅうりを五本まとめて買っても、食べられるのは四本分だけというときもある。買い物をするときは、山になった果物の中から取り出して、一個一個傷んでいないか自分でチェックしなくてはならないから大変だ。
母に話を聞いてみた。母は、日本とポーランドのスーパーの違いについて話してくれた。日本のスーパーでは傷んだ果物や野菜が売っているということはありえないそうだ。もし傷んだものが売っていたとしたら、値切ることができるかも!?(笑)
しかも、高価なものは一つ一つきれいに包装されていて、まるで宝石のような扱いらしい。食べてみると、とてもジューシーで甘いことが多いが、あまりに完璧な味で人工的な感じさえするそうだ。それに比べてポーランドの果物は、見た目は悪いけれども酸味があって「自然にできたもの」という感じがする。日本のものはきれいだが、高価でたくさん食べることができないけれど、ポーランドのものは、安価で気軽に食べられて、その季節の味を思う存分味わうことができて幸せだと感じるそうだ。
ヨーロッパの人は、外観より味でその果物の良し悪しを決めるが、日本人はその逆で、味が悪くても、見た目がきれいであればいい、と考えることがわかった。「花よりだんご」ということわざがあるようにぼくも、外観でなく、内容でいろいろなものを区別できるようにしたい。
講評 siro
ショウくん、こんにちは。感想文がんばりましたね。ヨーロッパのお店で売られている果物や野菜は、課題文にあったように、あまり見た目は重視されていないようですね。色、形はばらばらで傷んだものまであるとは驚きです。それでも、それらの果物や野菜は「自然にできたもの」という感じがするというのはなるほど、と思いました。先生は日本でしか買い物をしたことがないので分からなかったのですが、もしヨーロッパの果物や野菜と食べ比べると、「人工的なもの」「自然にできたもの」と感じると思います。
自分の体験、聞いた話を上手くまとめることができています。
大変よくできました。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |