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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   過剰な飾り   ゆっきー

 ヨーロッパのりんごの栽培は、四千年を超える歴史を持っている。苗木を導入して明治から始まったそれは、ようやく百年を超えたばかりである。こうした歴史の違いは、東西のりんごのありように大きな差をもたらした。欧米のりんごの大衆の中で育ち、生食用、加工用、料理用と多彩な用途に分かれ、小玉でも外見が悪くても、味がよければよしというポリシーで今に至っている。それに対し日本は病気見舞いのぜいたく品として出発し、生食用一本で、ひたすら外見を重視の「高級品」の道を歩いてきた。すべての食べ物は、見た目に汚いよりきれいなほうが精神衛生にいいこと否定できない。しかし本末転倒なのは、しばしば味よりも「見てくれ」の方が、「高品質化」の上位に座っていることだ。夫人たち以上に学者達をびっくりしたのは、日本のりんごの栽培のやり方だった。りんご園の地面を銀色のビニールで覆い、反射光でりんごの尻を着色させたり、りんごを一つずつ手で百八十度回転してまんべんなく日を当てて着色させる技術は、欧米には全く無いものだ。日本では、いろいろな果物を紙袋で覆って育てる。この労力を要する技術は・多雨・多湿の風土の中で、病害虫の被害防止のために生み出された。しかし科学農薬が発達し、別の防除技術が確立された現在でも、袋がけが根強く残っている。果実の葉緑素の形成を抑え、袋をはずした後の果実を鮮やかに着色させるためだ。その代わり、糖度は下がり、味は確実に落ちる。これらのキメ細やかな技術は、りんごを美味しくするためでなく、ひたすら美しく色づかせる目的で開発されている。
 私の妹と弟は、過剰な包装をしたものが大好きだ。なぜかというと、小物入れに最適だからだそうだ。
「それ高いよ…」
母が言ってもお構いなしだ。
「こっちのほうが絶対おいしいよ」
私が言っても無駄だ。
「こっちのほうがいっぱい入ってるよ!」
父も言う。こういうと妹はこう言うのだ。
「だってこの入れ物ほしいんだもん」
たいていこうして手に入れた空き箱は、ごみとなるのだ。私は妹と弟を見ていると、『こんな人が日本に多いから日本が過剰な包装を好む国になるのだな』と思った。
「ごみになるだけじゃん」
と言っても無駄である。
「絶対使うから!」
妹は言う。日本人は、妹や弟のような人が多いから、過剰な包装を好む国になるのだと思う。
 日本は、きれいなラッピング(または、過剰な包装)を好む人が多い。なぜ日本には、このようなものを好む人(妹や弟を含む)が多いのだろうか。『もったいない』は世界共通だと聞いたことがある。『もったいない』とは日本の言葉だろう。それなら、過剰なラッピングは、もったいないのではないだろうか。日本には、昔からきれい好きの人が多いからではないだろうか。江戸時代の日本の道には、ごみひとつ落ちていなかったそうだ。これを見た外国人はびっくりしたと言われている。外国の道には、ごみがたくさん落ちていたそうだ。だから日本人は、きれいなものが好きな国の特色が生まれきれいなラッピング(過剰な包装)を好むようになったのだと思う。しかしきれいなラッピング(過剰な包装)は環境によくない。なぜかと言うと、ラッピングはたいていの場合燃えるごみとして捨てられる運命にある。燃えるごみを燃やす時二酸化炭素が排出される。二酸化炭素は、地球温暖化の原因の物質とされている。しかもラッピングに使用されている紙は木を木って作る。木は、二酸化炭素を酸素に変えてくれる。だからきれいなラッピング(過剰な包装)は地球温暖化につながってしまうのだ。
 人間にとって、飾りとは程々が良く余り過剰だと地球にも悪いと思った。私も今度から過剰な飾りのついたものは買わないようにしようと思う。

   講評   inoko

 ゆっきーさん、こんにちは。
卒業式を前にして、いろいろ忙しいかな? 3月もこの調子で!



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