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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   あそび   タラちゃん

 学童のあそびには多くの想像力や抽象思考力がはいってくるからきわめて多彩なものになる。ゲームとは、あそびの一種にすぎないとはいえ、この種のあそび活動を通じて社会的ルールを守ること、そのために他人と協力すること、つまり倫理の基本的訓練が行われる。修身の訓話よりもこうしたあそびの中で子供の社会性が育って行くことを考えれば、それだけでもあそびの重要性がわかる。また、あそびの中で創造性がゆたかに発揮されると、創造的活動にまでつながって行く。子どもの多くが詩人的素質を示すのも、彼らの新鮮な感受性と、奔放な空想力が発達するからであろう。こうした面を発達させるために、学校の国語教育や作文の授業はきわめて大切な役割を持っているにちがいない。ところで、あそびについて次のような意見がある。
 まず、子供時代の遊びから得るものは多いという意見。小学三年生頃まで僕は学童クラブに入っており、学校が終わった後よく遊んだ。特に野球やサッカーは毎日やったものであった。野球は九人対九人でやるものであるが、さすがにその時は難しかった。だから、勝手にルールを作ったりした。例えば三人対三人で野球をする場合、三人全員ランナーにでることもある。その場合は「透明ランナー」というものをつくった。つまり、満塁で次のバッターが三塁にいる際は三塁にランナーがいることにして三塁ランナーだったやつが打つ、という具合である。その他にも人数に合わせてルールを変えたり、削除したりした。僕は今野球部に配属しているが、もともとはここで野球のルールから何まで学んだのである。子供時代特に幼少時代は、沢山遊ぶことで得ることはたくさんあるのだ。
 逆に、勉強しなければ身につかないものもあるという意見。日用的に使われている漢字。ニュースや新聞によく載る漢字はすぐ覚えられるが、基本はやっぱり小学生の漢字から勉強しなければ何も読めないのである。算数も+−から身につけなければその後はついて行けないのである。野球も同じである。細かいルールや正しい打ち方などをちゃんと実践で勉強しなくては、身につかないのである。「みつばちマーヤの冒険」という有名な話がある。「生まれたばかりのみつばちの女の子マーヤは好奇心旺盛。カッサンドラ先生に飛び方やミツの集め方を・・・」という話である。ハチだって(物語ではあるが)基本的なことを学習するのである。
 遊びから得るものは多い。先程も言ったが、もちろんルールだったり、また友だちとのつき合いも習うことができる。また、勉強することでいろいろな知識を得ることによって、将来からなにまで損することはないであろう。勉強は人間には必要なのである。結局、一番大事なことは、遊びでも、勉強でもなく両方をバランスよく取り入れることであると思う。勉強ばかりやっていたら、もちろん運動できないのもそうであるが、そのうち集中がとぎれて、勉強が嫌になったり、身体的に言えば目が悪くなるのだ。ある程度休憩という意味で遊ぶことは必要である。また、遊んでばかりいたら、学校や家でもうるさく「成績が悪い」のとか「勉強しなさい」と言われたり、また大人になって社会に出て行くことができないのである。「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」。ずっと勉強する(遊ぶ)のではなく、その時と場合によって休憩をいれる(宿題くらいやる)と変えていくことが、大事であると思う。

   講評   hira

 子ども時代の遊びの大切さについて考えさせる長文でした。昔『人生で大切なことは公園の砂場で学んだ』という本が売れましたが、その通りなのでしょうね。私も自分の性格のよろしくないところ(笑)はあの砂場の子ども時代と変わっていないなあと感じることがあります。また、新しい発想を得るにはたまには脇道に逸れる遊びが必要だなともよく思います。
等身大の自分の考えがよく表現できていると思います。試験中にもかかわらず、いつも通りの動きが立派ですね。
■第一段落 ◎ 要約
 読むと私の方が「そうそう、そうだったな」と内容を思い起こせる(笑)過不足ない要約です。 
■第二段落 ● 複数の意見一 ◎ 体験実例 ◎ たとえ
 本当にこういう「透明ランナー」の話を読むと子どもって天才だなあと思いますね。こういう発想は知識に絡め取られた大人にはない発想だと思います。また、その「透明ランナー」的発想がいろいろなエピソードを作っていくのでしょう。
■第三段落 ● 複数の意見二 ● 昔話の実例・長文実例 ◎ ユーモア表現
 昔から「よみ・書き・そろばん」と言いますが、こういう基礎的なことはやはり机の上で学ばなければなりません。これを読んで思いだした話。昨日のテレビで「ベトナム難民の蘭さん、医科大を卒業して小児科医に」とやっていました。彼女は中国系のベトナム人、中二で日本にやってきて全く日本語が分からないところから高校受験は名門校に入り医学部へ。でもポイントは彼女が中国系で、漢字が書けたことが大きかったのだろうな。基礎は大事。
■第四段落 ○ 反対意見への理解 ● 総合化の主題 ● 名言の引用 ○ 具体的説明の結び
 詳しく言いたいことをかみ砕いて表現できているところがよかった。今のタラちゃんの心境をよく表している主題だな。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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