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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心と金と   ビーバー

 人の心を押し殺すのが組織である。現代ではよく人の感情が消されてしまい、物質として存在するものが重視されるような世の中になっている。少し前の話を挙げるとすると、人気のあった映画「踊る大捜査線」での台詞である。私は「事件は会議室で起きているのではなく、現場で起きている」という有名な台詞こそが、人間の心の大切さも訴えているのではないかと考える。その言葉について考えてみると、客観性のみを重視する作戦会議室よりも、人命と関わっている現場の刑事たちの方が、正しいことを言っているのだ。このように、感情を全く無視して客観性にのみ走る社会は問題である。では、社会をそうする原因は何だろうか。(書き出しの工夫)
 第一に考えられる原因は、何でも金銭的なもので解決しようとする最近の日本の社会の風潮である。言わば、お金さえあればほとんどの物事が解決してしまう社会である。聞いた話ではあるが、お金を払って球場などの施設に名前を付けるなどの行為を始め、排出権を発展途上国にお金を払って獲得するなど、近頃はそういった風潮が限度を超えているように感じる。またそれによって、談合事件や贈収賄などの法律に触れるようなことまで起こっている。こういった風潮の中では、結局人の心はあまり大切にされずに終わってしまうだろう。(体験)
 第二に考えられる原因は、金銭的な面で人間が評価されてしまうという世界中での風潮である。世界で言えば所持財産金額で当人のイメージが固まること、日本で言えば国会議員の総財産の公開で議員の好悪が決まること。あいつは金持ってるから嫌な奴だなど(爆)。やたらお金で人の価値を測ったり、財産額でその人のイメージを固めたりすることが多い。お金があまりなくても、優秀な人がいるのにも関わらずである。人の性質にお金は関係ないはずである。こういった考え方は、優秀な人材を少なくしていく一つの原因にもなるのではないか。
 確かに、命の次に大切なのはお金と言われるように、お金がなければ最低限文化的な生活は営むことができない。しかし、お金は客観的なもの、人の心とはやはり対極の立場にあるものである。「人の心は客観的な思考をする場所ではなく、自由に主観性を生かす場所である。」人の心はもっと客観性から自由であっていいはずだが、それを許さない過剰な組織社会は問題である。主観性を発展させることで進化してきた人間は、主観性を抑えられて退化してしまうのだ。

   講評   nane

 いい書き出し。「会議室ではなく現場で」というのは、一種の名言だね。こういう発想は、社会のあらゆる面で通じるものがある。
 「感情を全く無視して客観性にのみ走る社会は」のところで、ニュアンスとして、自分もまた、そういう社会を構成している一人なのだという自覚を持とう。「全く無視」はもう少し工夫して。
 金銭的な解決の例として、施設の名前、排出権取引を挙げたのはさすが。最近のニュースをよく知っているね。
 第二の原因は、もう少し幅広く書いてもいいか。
 原因の考え方は、歴史的と社会的。
 いまこういう問題があるのに、昔はなぜなかったかと考えれば歴史的になる。また、この場所ではこういう問題があるのに、ほかの場所ではそういう問題がないのはなぜかと考えると、社会的原因になる。
 「人の心は客観的な思考をする場所ではなく、自由に主観性を生かす場所である。」だと、それまでに述べた話と同じになって新鮮味がないか。むしろ、「心こそが……真の客観性の根拠……」のような感じで。

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