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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ふつう死は、心臓が   あいち

 最近の医学では、脳死や心臓死のいずれかになった場合、移植治療を行うことが出来るということだ。例えば、心臓死になった患者には、まだ元気な脳がある。その患者は、どちらにせよ死んでしまうので、その脳を必要としている患者に移植するというしくみである。しかし、ここには死を悲しむ人と死を喜ぶ人の矛盾が発生する。その身体に、自分のものだと主張する人が居なくなった時、つまり死んでしまった時、身体はただの資材になってしまうのだろうか。だが、その臓器が生きていなければ移植することも出来ない。医療のテクノロジーが私達に与えたのは、人体を資材とみなして他の人体を長く生きさせる「非人間的」な考え方なのである。しかし、私達は生と死に関して人間的に考えるべきだと思う。
 そのためには、第一の方法として生きる以外の価値観について、人間らしい死というものを考えていくことである。全てが全て移植で長生きすればいいかというとそうではないのである。これは、私が聞いた話だが、長く入院生活を共にしていた二人が、ある日、自分の移植相手が見つかり手術をし終えると片方の子が急に居なくなっていたのである。その前日に、その子は急に容態が悪くなり脳死。その子の心臓が移植されたのである。傍から見たら何ともいえない友情の感動的ストーリーだが、その事実を知った本人や周りの家族はとても辛い思いをするだろう。移植する相手が、たとえ友人でなくとも自分本来の臓器で無い物が、自分の中に入っているのはなんとも複雑な気持ちになるだろう。
 第二の方法に、効率や金銭面だけで人間の身体を見てはいけないということだ。効率の良さだけを重視していると、移動がとても楽になりどんなに離れた場所でも少ない時間で移動が出来るという点で人気になり今では日常使われる車も、現在、地球温暖化などの原因となる排気ガスを出しているし、運転操作ミスでかけがえのない命が簡単に奪われてしまっているのだ。金銭面に関しても、いくら自分達が払えるお金だからといって固執してはいけない。だんだん、色んな商品が安くなることを求められているこの時代に、臓器が容易く扱われるということは、臓器を安くしてほしいというとんでもない「非人間的」な考え方になってしまうのである。だから、効率や金銭面だけで人間の価値を考えてはいけないのである。
 たしかに、もうすぐ死にそうな人間の寿命を他の人からの臓器により長くすることは、医学の発展にとっても個人にとっても良いことである。だが、他の人の臓器によるということは、自分にも長く生きていく可能性がある命があるとうことであり、その臓器を提供してくれる側にも命があるということである。今、移植治療によって、ますます死というものに対しての考え方が分からなくなってきたが、私達が人間である以上「人間的」に考えていくべきなのではないだろうか。私達は、それをより意識し、機械的な医療の進歩によって生きることと、人間的な死の矛盾さを理解しておかなければならないと思う。

   講評   nane


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