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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   今の生活?昔の生活?   意気陽陽

 地球上にはまだ浪費文明に侵されず昔ながらの素朴な生活を営んでいるところがいくつもある。そのような人々の暮らしから見ると、自分の生きている日本の大都会の生がいかに反自然な人工的なものかを知らされる。何より思い知らされたのは、人間は生きていく上でなんとわずかの物で足りるかということだった。そして、自分たちがいかに文明の提供する便利や快適の誘惑によって余計なものを多くもたされているか、それら物の過剰によって生そのものを見えなくしているかを知らされるのである。
 僕は、昔ながらの余計なものを使わずに生きていく生活というものは人間に良い影響を与えると思う。僕は四年前まで福島県に住んでいた。その時に住んでいた家は最寄りのJRの駅まで何と七キロもあり、バスも一時間に一本あるかないかと、とても不便だった。その時は家に車があったのだが、駅前に用事があり、父が車に乗って会社に行っているいる時などには、歩いて駅まで行かざるを得なかった。しかし、その道のりは決してつまらない平凡なものではなく、色々な楽しみがあった。それに、同じ道でも歩くたびに新しい発見があった。前まで空き地だった場所に気が付いたら大きなマンションが建っていたり、道端に生えている草花が時期ごとに違ってきたり……という具合に。とにかく、車などなくても人間は十分に生活していけるし、かえってその方が良いという場合もあるのだ。
 しかし、人工的なものも、時として良いものである。江戸時代に十返舎一九が著した「東海道中膝栗毛」という本を知っているだろか。弥次さんと喜多さんが、江戸から伊勢まで歩く物語なのだが、その道中で色々なことが起こる。風呂桶の底を破ってしまったり、お金を取られたり……。大切なのはその話ではなく、二人が何か月もかけて歩いたと言うことだ。今なら東京大阪間なら新幹線で一時間四十分くらい(あまり詳しくは知らないのだが…)で行けるのだから、便利な世の中になったなぁと思う。もし、新幹線や飛行機などの移動手段がなければ、会社での出張などは出来ないだろうし、里帰りなどもできなかっただろう。
 確かに昔ながらの生活にも今の便利な生活にも、「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という名言があるように、欠かせない良い所がある。しかし、東京から大阪に行きたい時に「私は昔ながらの生活を貫き通すので歩いて行く!!」などと言ったりするのはただのバカであり、遠足なのに「歩かなくても車に乗ればよいじゃないか!!」と言うのもおかしな話である(((笑)。このことからも分かるように、本当に大切なことは、どちらの生活が自分のその状況に適しているのかをきちんと見分けることなのだ。

   講評   sugi

 前に住んでいた福島では、今より不便な生活だったのだね。現代人は「田舎の生活」「不便な生活」を避けたがる傾向にあるけれど、この作文を読むと、不便さからも学ぶことがあるし、楽しみを見出すこともできるということがわかるよ。学校の勉強も大切だけれど、このような「生活の中から楽しみを発見する力」をつけることは、もしかしたらそれ以上に大事なことかもしれないね。
 「東海道中膝栗毛」の話も、説得力がある! ゆったりのんびりした旅だからこそ、あのような面白い話が生まれたのだね。この話は、先生も子どものころ大好きで、繰り返し読みました。今月の学級新聞に、十返舎一九の話がちょっと出てくるので、読んでみてね。
 第四段落のユーモアも効いているね! 項目は余裕で入れられるようになったし、毎回の森リンの得点も楽しみでしょう。この調子で勉強を続けていこうね。

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