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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私のタイムマシン   れもん

 「タイムマシン」は、実はもう実在する。ビデオカメラなどの録音機器などの恩恵で、人は記憶を映像として残すことができるし、映像を見ることで、過去を体験することもできる。自分が生まれる以前の世界だって、クリック一つで簡単に飛び込むことができる。しかし、これは単なる高性能なビデオカメラのおかげではない。私たちに生来備わっている「想像力」という能力のおかげなのである。カメラが発明される以前にも、話を聞いたり読書をしたりする過程で、私たちはすでに多くの過去を経験してきた。するとここで、自らの想像力の正確性という問題が浮上するかもしれない。果たしてその想像は、事実と異なっているのではないかという疑惑である。しかし、それは大した問題ではない。事実は様々な人々の主観の集積であるに過ぎないし、そもそも、私たちが自分の主観から逃れることはできないからだ。私たちが必死に勉強している歴史だって、様々な人の思惑によって、相当歪んだものなのである。現代において、想像力の欠如により、人の痛みを感じられないことが問題である。(書き出し)(社会問題)
 その原因としては第一に、人間と直接接する機会が減少したことが挙げられるだろう。ネットや携帯の普及により、顔を見なくても話せる環境が一般的となった。また、ゲームなどの影響で、人生に対する価値観が軽薄なものとなった。そういえば、最近先生が、「子供は大人が傷つかないと思ってるのかしらねー」と言っていた。制服の着方を注意したら無視されたそうだ。確かに、生徒は先生になったことがないから、先生を自分と同じ「人間」として捉えるよりは、反抗されるのも仕事のうちである「先生」という役職としてみる機会が圧倒的に多い。おそらく何十年か後の学校は、ネット環境を使用した形態に変化すると予想されるが、そうなればますます、先生と生徒の距離は遠くなり、一見、当然なことと思われがちな、開いてを「人」としてみる習慣も希薄になってしまうような気がする。(複数の原因Ⅰ)(体験)
 第二の原因としては、物事を多面的に捉える、レトリック感覚が失われていることだ。レトリック感覚には、ある程度の経験が大きな財産となるのだが、簡単に言えば、相手の立場に立って物事を考えることである。勿論、他人の思考回路や心理的状況を本人のように知ることはできないが、自分の体験や想像を基に、相手に近寄る努力をすることはできる。それが、心の柔軟性なのである。自分のことに没頭すると周囲が見えなくなりがちだが、様々な視点を持つことで、物事を円滑に快く進めることができるのだ。(複数の原因Ⅱ)
 確かに、想像力を媒介としない合理的な関係が社会の土台になっている。しかし、心をもった人間の社会が、心を持たない仕組みによって運営されるのは、少なからず矛盾がある。想像力とは、暇つぶしではなく、思いやりである。現代社会が軽視している礼儀や誠意といったしきたりも、全て相手に対する想像力から生まれるのではないか。だからこそ、私は現代における想像力の欠如が問題だと思う。より高性能なタイムマシンを持つためには、豊かな想像力が不可欠なのだ。(反対意見)(自作名言)(社会問題)
                  

   講評   nane

 第一段落を、遠くから入るのは面白いけど、ちょっと遠すぎ(笑)。小論文試験などでは、課題とずれていると見なされる可能性がある。なるべく最初の方に、その長文のキーワードを入れておこう。
 原因の第二に「レトリック感覚が失われたこと」を挙げたのはいいね。このレトリックを育てるのは、文学。
 実際の体験とともに、文学的な経験を通して自分の想像力を育てるということが大事になるのだろうね。
 「想像力とは、暇つぶしではなく、思いやりである。」を、更に一歩進めて、「想像力は、思いやりではなく……」などと考えてみるといいんだよ。最初に考えたものからもう一歩進むと、更に逆説性が増す。
 書き出しの結びはうまい。
 犬のカットは、よくわからないけど(笑)。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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