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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   相手の感情   ビーバー

 ロボットには本当に心があるのかという議論がなされているが、生理学的あるいは工学的に心のあるなしを検査するのは的外れである。痛みを感じている場合でも、自分の親族などの人間と普通のロボットとドラえもんとでは自分の心の痛みの感じ方は違うが、実は私たちは痛みを想像することは不可能である。それは、想像上の自分が感じている痛みだからである。人間であろうがロボットであろうが、心のあるなしは関係ない。その相手といかに過ごすかによって、心のあるなしについての考え方は変わってくるのである。私は、他人の痛みや感情を感じられない人間が増えているこの社会は問題だと思う。(書き出しの工夫)
 そうなってしまった第一の原因は、外部との関わりが減り、外部での経験がなくなってしまったことである。特にテレビゲームの発展が大きく影響している。昔は大してリアルなゲームもなく、ゲームに入り浸ることも少なかったが、今は外出していてもかなり精巧なゲームができるようになった。そのため、ゲームに入り浸りになることが当たり前になり、他人との関わりがなくなって、他人の気持ちが分からなくなってしまった。私の場合、ゲームは友達の家に稀に行った時にするくらいで、はっきり言って操作方法すら分からない。その代わり外で遊ぶことが多かったためか、他人の感情を優先しすぎて自分が潰れることの方が多い節がある。こういった日本人独自の「加害妄想」という一種の文化が消えていくのも、テレビゲームの発展によるものではないか。
 その第二の原因は、西洋文化の流入によるアニミズム文化の崩壊である。日本人は先進国なのにも関わらず、アニミズム文化が強く残っているという。そのために、子供はよく自然のものを色々と別のものに見立てたりするし、私は今でも口には出さずとも心の中で見立ててしまう(笑)。しかし、歳を重ねるごとに勉強しろの一点張りになってきて、そういう想像力がなくなる。昔はそんなことはなかったから人との関わりも十分にあったし、そのおかげで他人のことを考える「加害妄想」という素晴らしい意識もあったのである。しかし、今の人々はどう考えてもそういう意識がない。持っているのは日本人だけなのだから、日本はその特有のアニミズム文化を守っていく必要がある。
 確かに、自分と他人はどう転んでも別の存在だという自覚を持つことは必要である。しかし、接するもの全てに感情があると感じることは、それもまた自分の心を豊かにするのである。「ロボットは人工生命体ではなく、身近な友人である。」ロボットだって、捉え方によっては心を通わせることもできるはずである。相手に心があると感じることによって、自分の他人に対する感じ方、モノの扱いの丁寧さが格段にかわるだろう。しかし、人々はそれに気付かずロボットやモノを単なる器物としてしか扱わない。こういったことが全て「人の気持ちが分からない」という現代社会の問題の根本になっていることを忘れてはならない。

   講評   nane

 長文の内容を簡潔にわかりやすくまとめたね。
 ゲームの影響で感受性に乏しくなったということはあり得る。最近のいろいろな事件を見ていると、ゲームやテレビや漫画のストーリーに似ているものが多い感じがするね。
 アニミズム文化というのは、これまで幼稚な文化と見られていた。しかし、これからは自然と共感できる新しい能力という捉え方をされるようになるかもしれない。日本人は、独自のアニミズム文化を発展させていく必要がありそうだね。
 自分と他人の違いという反対理解はいいね。
 自作名言は、「ロボットは……」としてもいいけど、「感情とは……」又は、「ロボットの感情とは……」の方が書きやすそう。考えてみよう。


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